BMW M760Li xDrive
公開 : 2017.02.07 05:50 更新 : 2017.05.29 14:39
M760Liは、単なる速いだけの7シリーズとは違う。BMW史上最速のクルマだ。納得のいく作りだった。
■どんなクルマ?
BMW M760Li xDriveは、BMW M部門製の、今まで無かった最新のMパフォーマンス・モデルとして英国で今年になって販売された。
ストレッチされたリムジンは全長5238mmにもなる。
てんこ盛りの機能、AWD、アクティブ・リア・ステアリング機能が新しい。その結果2180kgもの重さになった。
しかし、革張りのラグジュアリー・サルーンが0-100km/h加速でわずか3.7秒という俊足を誇り、もっとも速い7シリーズという称号だけでなく、量産BMWの中でももっとも速いクルマになった。
このクルマの加速は、ドイツ車を引き合いにだすと、最近製造中止となったM5コンペティション(F10)よりも0.2秒速いことになる。
さらに、主なライバルとなるメルセデス-AMG S65よりも0.5秒速い。オプションのドライバー・パッケージを装着すると、ECUのアップグレードにより最高速度が249km/hから、スーパーカーが挑戦する領域の304km/hにまで向上する。
M760Liのパフォーマンスは、ヘビーにチューニングされたN74型と呼ばれるツイン・ターボチャージャー付き6.6ℓV12気筒ダイレクト・インジェクション・エンジンによってもたらされる。
改良されたターボチャージャーは最大200barまでコンプレッサーで圧縮し、5500rpmで610psの最高出力を発揮。81.42kg-mにおよぶ最大トルクをわずか1500rpmからひねり出す。
このMパフォーマンス・モデルは、60°V型12気筒エンジン搭載の従来の760Liモデルよりも45.6ps、5.1kg-mパワー・アップされていて、かつ現行のG11、7シリーズのモデルのうち、最もパワフルな750Liに搭載されている4.4ℓV8ツイン・ターボチャージャーと比べても159ps、15.3kg-m向上している。
この40年間、BMWはV12型エンジンを製造し続けているが、これほどパワフルでカリスマ性をもつエンジンは無かった。
BMWの他のモデルでも用いられている8速ATを使っているがうまく調整されていて、スポーツ・モードでは最適なタイミングで素早くシフト・チェンジする。
トルク・コンバーターはBMW xDrive AWDシステムと繋がっており、通常は他のBMW以上にリア側に多くトルク配分しているが、状況に応じて4輪にそれぞれ最適なトルクを配分するように作動する。
それら全てが6つのドライビング・モードを提供。アダプティブ、エコ・プロ、コンフォート・プラス、コンフォート、スポーツ、スポーツプラスのモードだ。
M760Liは、他の第6世代の7シリーズと外観も異なる。通常仕様にオプションで装備されるエアロダイナミック・スタイリング・パッケージに合わせたバンパー、マット・グレイ処理されたグリル、20インチ・アルミ、Cピラーに付けられたV12のバッジなどである。
さらなる識別点として青色塗装されたキャリパーのMスポーツ・ブレーキ、台形型クローム・テールパイプ4本出しのMスポーツ・エグゾーストも盛られている。試乗車は装備していたが、好みに応じて、リアのスポイラーも選択できる。
これら、いかつい装備とは違って、M760Li xDriveはエクセレンス・スタイリング・パッケージと呼ばれるオプションも用意している。望めば、通常の7シリーズにも用意される ‘ピュア・エクセレンス’ スタイリング・パッケージと同じような、迫力重視の外装パックを充てがうことも可能だ。