ボルボV90クロスカントリーD4

公開 : 2017.02.09 05:40  更新 : 2017.05.29 19:07

■どんな感じ?

車高アップは、たださえ優秀なV90のドライビングポジションを、至上のそれに昇華させた。運転席からは、前方が広く見渡せる。シートはサポート性にも快適性にも優れ、スペースは乗員にも荷物にも十分な広さだ。

180cm級のドライバーがポジションを決めても、後席には大人でも十分な頭上空間とレッグ・ルームを確保できる。後席中央に座らされても、長距離でなければ苦痛を感じない。高級感は、第一人者のメルセデスにやや譲るが、快適さはアウディにも引けを取らない。

スタンダードなV90は、ダイナミックなハンドリングと大陸的な長距離移動での快適性を併せ持つクルマだったが、クロスカントリーは後者が際立つ。

ハードなコーナリングでは、ボディが標準モデルより大きく傾くが、ソフトな特性のスロットルと静かなエンジン、新調されたダンパーにより、高速道路でも田舎道でも温和な乗り心地を提供してくれる。

D4仕様の2.0ℓディーゼルは、クロスカントリーではエントリー・レベルの設定だが、他モデルのD4グレードは前輪駆動となるため、4WDが選べるのはクロスカントリーのD4のみという点にも意義を見出せる。

0-100km/h加速8.8秒というタイムには物足りなさを覚えるかもしれないが、実際に走らせてみると、このエンジンはたいていのシチュエーションで不足を感じないだけのパワーを秘めている。

とはいえ余裕があれば、パワーで上回り、圧縮空気でタービンを増速しターボ・ラグを減らすパワーパルスを備えるD5が欲しいところではある。現時点でガソリン・ユニットの設定はないが、ボルボでは需要の動向次第で検討するとしている。

悪路走行時にも、このクルマはバランスを保つが、オフロード・モードを選択すれば、1速と2速を多用するなどのセッティングにより、不慣れなドライバーにも自信を与えてくれる。

傾斜を下る際にはヒル・ディセント・コントロールも起動。本格クロカンというより泥道程度の走行を想定した設計だが、無茶な運転をしなければイージーな操縦を叶えてくれる。

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