■どんな感じ?

MX-5は完璧とはいえない。速度を上げてクイックなコーナリングをすると、最終的には平静を取り戻すものの、ターン・インでスプリングがかなりのピッチングを発生させる。

荷重移動を体感できると見なして、こうしたセッティングを好むというドライバーもいるだろう。マツダも、そう意図しているはずだ。しかしわれわれは、硬いスプリングが、MX-5のエネルギッシュさを損ねていると感じていた。

ところが今回のRFでは、驚くべきことに、走りが改善されている。調整されたダンパーとスタビライザーは、増加した重量を受け止めるだけでなく、ソフト・トップ版よりしっかりとした踏ん張りを生んでいる。

これにややクイックになったステアリングが相まって、RFはタイトでテクニカルなイングランドの道を、より自信を持ってドライブできたのだ。

驚かされたのはハンドリングだけではない。6速MTをシフト・ダウンし、2.0ℓ直4ユニットを吠えさせると、その速さはソフト・トップ版に引けをとらないのだ。

0-100km/h加速は7.4秒で、これは同じエンジンを積むソフト・トップ版の0.1秒落ちに過ぎず、トヨタ86と比較すれば0.2秒のアドバンテージすらある。