トヨタ・ヴィッツU/ハイブリッドU Sportyパッケージ

公開 : 2017.02.10 05:50  更新 : 2021.01.28 17:17

マイナーチェンジしたヴィッツにハイブリッドが加わった。WRCとのシナジー効果は? アクアプリウスとの食い合いは? 気になることは尽きない。

■どんなクルマ?

18年ぶりにWRC(世界ラリー選手権)に復帰したトヨタのラリー車両として、今後再注目を集めるであろう小型ハッチバックである。

中身は別物とはいえ、欧州名ヤリスのWRカーは初戦のモンテカルロで2位に入って、いきなり戦闘力の高さを見せつけた。

木更津での試乗会場にもそのWRカーが持ち込まれていて、ヴィッツのモータースポーツ・イメージの獲得に一役買っていた。リアの巨大なカーボン製ウィングが現代のラリーの高速ぶりを物語っている。

その傍らには1月の東京オートサロンで発表された ‘ヴィッツTGRコンセプト’ なるスポーツ・モデルの試作車が展示してあって、取材陣の熱視線を浴びていた。国内にはない3ドア・ボディで、前輪駆動、6速マニュアルであることが明らかにされている。エンジンは1.2ℓターボですか? と担当のかたに訊ねたところ、「もう少し大きいものを考えています」ということだった。市販化に際してはWRカーと同じ1.6ℓターボといきたいところだろうけれど、さてどうなるか。内装は公開していない。

ちなみに2013年にヴィッツGRMNターボなる200台ぽっきりの限定車が販売されている。こちらは1.5ℓターボとマニュアルを組み合わせた3ドア・ボディで、価格は270万円だった。

肝心の量産型ヴィッツの新型は? というと、‘キーンルック’ と ‘アンダープライオリティ’ という最近のトヨタ・デザインのコンセプトがフロント・マスクに採用された。

欧州市場での主力モデル、オーリスとの共通性を持たせることで存在の耐えられない軽さから脱し、トヨタここにあり、をアピールしようとしている。リアはリア・ゲートまでライト部分が水平方向に伸され、視覚的な安定感と同時にゴージャス感も得ている。ライトとバンパー、グリルを変更するだけで、フロントもリアも印象が大いに変わった。デザインとは素晴らしくもオソロシイ。立体感が増し車格も上がったように見える。実際、オーバーハングが延びており、全長は60mm増えている。

今回のマイナーチェンジは2010年に発売された3代目ヴィッツにとって、14年以来の2度目となるわけだけれど、これで少なくとも2年は延命することになるだろう。ちなみにヴィッツ用TNGAは鋭意開発中という。

パワートレインでは待望のハイブリッドがついに導入された。欧州のヤリスには以前からアクア用のハイブリッドを搭載したモデルがあるから、基本的にはそれを国内でも発売したにすぎないわけだけれど、ハイブリッド・ビジネスの大転換だったともいえる。

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