トヨタ・ヴィッツU/ハイブリッドU Sportyパッケージ
公開 : 2017.02.10 05:50 更新 : 2021.01.28 17:17
■「買い」か?
3代目ヴィッツが2010年のデビューということを考えると、2度目のフェイスリフトを経ているとはいえ、いささか古いのでは? と思われるかたもいらっしゃるかもしれない。
それは杞憂だ。
ヨーロッパ調の足にハイブリッドを得て、ヴィッツは俄然、21世紀の小型車として商品力を蘇らせた。アクアのカタチが好きではないトヨタ党、隣もアクア、そのお隣もアクアというアクアだらけの現状にうんざりしているトヨタ党に朗報だ。
ハイブリッドの ‘Sportyパッケージ’ は16インチの185を履いているがゆえに若干タイヤが存在を主張する。けれどそれは望むところの範囲だろう。
ただ、ハイブリッドでこういうカタチを好む人の気持ちが、狭量な筆者には解しがたい。サイドのスカートと控えめなリアのスポイラーによるシックな装いは好ましくはある。でも、25万円余分に払うほどの価値があるかどうか。25万円なら安い、という考え方ももちろんあるけれど、どうせならTGRコンセプトの市販モデルを待ちたい。
なお、ハイブリッドのバッテリーは後席の下に配置されており、スペースはいささかも犠牲になっていない。荷室の広さは全長4mを切るこのクラスではリッパなものだ。
内装はグローブ・ボックスの上の化粧板とシート生地の変更によって印象を変えている。もともとシンプルなデザインなので、いささかも古びていない。
1.3ℓガソリンのUという上級グレード、1,798,200円にもチョイ乗りしてみた。車重1020㎏とハイブリッドより100㎏近く軽い分、軽やかに走る。
とはいえ、ハイブリッドよりそうとううるさいし、振動もある。自動車におけるナチュラリスト、この場合は生粋のガソリン・エンジン派という意味だけれど、にとっては好ましい。これでマニュアルがあれば、小型車を目いっぱい走らせる楽しみが味わえる……。現実は、日本仕様にMTの設定はない。TGRコンセプトの市販化を待つほかない。
新型ヴィッツ・ハイブリッドを買ってWRCのヤリスを応援する、というのはインプレッサやランエボが走り回っていた時代からすれば21世紀的というか、バーチャルとリアルが混じった、いわばポケモンGO的世界観を楽しむのに近い、かもしれない。
トヨタ・ヴィッツ・ハイブリッドU Sportyパッケージ
価格 | 2,237,760円 |
全長×全幅×全高 | 3945×1695×1500mm |
ホイールベース | 2510mm |
乾燥重量 | 930kg |
エンジン | 直列4気筒1496ccガソリン+モーター |
最高出力(エンジン) | 74ps/4800rpm |
最高出力(モーター) | 61ps |
最大トルク(エンジン) | 11.3kg-m/3600〜4400rpm |
最大トルク(モーター) | 17.2kg-m |
ギアボックス | 電気式無段変速機 |
サスペンション | マクファーソンストラット / トーションビーム |
ブレーキ | ベンチレーテッド・ディスク / ドラム |
タイヤ | 185/60R15 |
燃費(JC08モード) | 34.4km/ℓ |
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