マクラーレンのCEO、フルイットが新しいカーボンファイバー工場を語る

公開 : 2017.02.14 10:02  更新 : 2017.06.01 00:29

マクラーレンは、ロザハムに新しいシャシー工場を建設すると発表した。

マクラーレンは、今年、カーボン・シャシーを製造するために工場をロザハムに£5000万(70億円)を掛けて建設する。CEOのマイク・フルイットにそのことについて尋ねてみた。

AUTOCAR:シャシー製造を自社内で行うことのメリットは何?

フルイット:シャシーはマクラーレンのコアとなるテクノロジーであり、特にライトウェイト・コンポジット・コンストラクションには重きを置いている。ただし、われわれは、現在の供給元であるオーストリアとは非常に良い関係を構築できており、今後も彼らと共同で作業を行う予定だ。既に、彼らとは来月のジュネーブ・モーターショーでリリースするスーパー・シリーズの後継モデルを送り出すことになっている。ただ、この新しい工場が建築されると、1年に付き£1000万(14億円)近いコストが削減できることになる。

AUTOCAR:これがマクラーレンのシャシー開発に大きく寄与するのか

フルイット:もちろん、そう考えている。われわれは12Cをリリースした時から、いくつかの派生モデルを作り出してきた。そして、その数はより多くなると考えている。少なくとも、2022年までには、来月のジュネーブ・モーターショーを皮切りに15台のモデルをリリースする予定だ。そして、そのうち半分はハイブリッドになると思われる。このハイブリッド・モデルの重量増加をわれわれは軽減したいと考えている。そのため、シャシー開発はこれからもっと重要なファクターになる。

AUTOCAR:どのようにシャシーは変化していくのか

フルイット:レーシングカーのように、フロントとリアにアルミニウム製のサブ・フレームを持たない設計となるだろう。その代わりに、直接メイン・コンポーネンツにボルト止めすることになる。現時点では、そういったカタチにプロダクション・モデルがなるのは難しいかもしれないが、ハイブリッド・パワートレインの採用が引き金になるかもしれない。

AUTOCAR:ハイブリッド・モデルの重さを軽減することはそんなに重要なのか

フルイット:重要だ。レースにおいても軽量であることは非常に重きを置かれることで、パフォーマンスだけでなく、あらゆる意味で軽量であることが影響すると思う。

AUTOCAR:この新しい工場とEU離脱との関係は

フルイット:それはまったくない。しかし、われわれは58%ほどまでに英国に於ける生産比率を伸ばせたのは良いことだと考えている。

AUTOCAR:何故、サウス・ヨークシャーを選んだのか

フルイット:ノウハウと施設、そして援助があるためだ。サウス・ヨークシャーのシェフィールド大学アドバンスド・マニュファクチャリング・リサーチ・センターとシェフィールド市議会の協力が得られるのが大きな理由だ。シェフィールド大学にはキャストとアロイ、そしてコンポジットに対するデザイン・ノウハウがある。また、今回の工場建設はわれわれにとっては非常に大きな出費だが、シェフィールドから幾ばくかでも援助を受けられるのも大きかった。

マクラーレンはつい先ごろ、2020年には1年に付き最高4,500のカーボンファイバーを作成するとし、そのための工場をシェフィールドに建築することを明らかにした。この新しいシャシー・ファクトリーでは200人の新たな雇用を創出するという。建設は今年中にスタートし、2020年の完成を目指す。フルイットは、今回のオーストリアへの工場建設について、EU離脱とは関係ないと強く否定しているが、最近のポンドの下落と決して無関係ではないだろう。

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