5代目ディスカバリー まずはインジニウム・ディーゼルを試乗 6ページ37枚の写真とともに
公開 : 2017.02.17 12:14 更新 : 2017.05.29 19:17
まずはメカニズムだが、シャシーはレンジローバー・スポーツと基本設計を共有する。つまり、ディスカバリー初のアルミ・モノコックを採用し、フレーム+ボディという伝統的なオフローダーのスタイルに別れを告げたのだ。
サスペンションはフロントがダブル・ウィッシュボーン、リアがインテグラル・リンク。シャシー前後に付くサブフレームはスチール素材で、レンジローバーのアルミ製とは異なる。
当然ながら重量はかさむが、ボリュームを抑えられるため、3列目にもフルサイズのシートを設置することを可能にし、さらには最大2406ℓもの荷室容量と、オフローダーの本格派ユーザーなら必須と考えるであろうテンパーでないスペア・タイヤの搭載も実現した。
とはいえ、ディスコ4と比較すれば、車両重量は最大480kgも削減。これはボディ部分で250kg、シャシー部分で130kgの軽量化に加え、エントリー・グレードのターボ・ディーゼル・エンジンがV6から2.0ℓ直4のインジニウム・ユニットへ変更された分も含めた場合の数字だ。
それでも、2トンを超えるクルマだ。しかも、価格は£43,495(617万円)からで、上位グレードの2.0 HSEラグジュアリーとなると£62,695(890万円)のプライス・タグを掲げる。並んだ数字は、とても ‘2.0ℓ車’ のものとは思えない。
エンジンは、ベースとなるのが180ps仕様。上位には異径ツイン・ターボを装着したインジニウム・シリーズの新規バリエーションが設定され、こちらは240ps/4000rpmの最高出力と50.9kg-m/1500rpmを発生し、0-97km/hは8秒フラットをマークする。
駆動方式はもちろん4WDで、トランスミッションはローレンジを備える8速AT。最新世代のテレイン・レスポンスにより、エンジンのレスポンスや出力特性、デフの作動状況など各部を、シチュエーションに合わせて調整できる。洗練されたルックスのモノコック・カーになったとはいえ、悪路走破性を見れば、これが本格オフローダーとして開発されたことは一目瞭然だ。
エアサス仕様では最低地上高が283mmで、車高調整幅は500mm、渡河深度は900mmに達する。コイル仕様は220mm/380mm/850mmとやや目減りするものの、それでも十分な数値だ。ランドローバー的には、これまで作られた中でもっともオフロード性能に優れ、歴代ディスカバリーやレンジローバーはもとより、ディフェンダーすら凌ぐと謳う。