今回は、ラゲッジ・ルームから外へ迫り出す電動フラップが標準装備された。耐荷重は300kgで、ベンチとして使えるほか、立てれば荷物の落下やペットの飛び出しを防ぐフェンスにもなり、分割ゲートと同様の使い勝手をもたらしてくれる。

インテリアは、先代の長所を受け継いでいる。大きなボタン、見やすい計器類、キャビン各所に点在する豊富な収納スペース、などなど。2／3列目への乗降性や、そのシートの快適さは先代以上で、これが真の7人乗りだ。

これに比べたら、アウディQ7やボルボXC90でさえ5+2人乗りの域を出ない。実に使いやすいクルマだ。

不安を感じるとすれば、このクラスで2.0ℓエンジンでは力不足ではないかという点だろう。しかし、まずはその静粛性に驚かされる。

それがエンジンによるものか、それとも遮音によるのかは定かではないが、ディスカバリー・スポーツのように盛大な音量も、ジャガーXEのように耳障りなノイズも、ディスカバリーとは無縁だった。

先代のV6ディーゼルより静かで、XC90より洗練されている印象だ。また試乗前にゲイドン筋から、パワーはたっぷりあると吹き込まれた際には、正直言って話半分に聞いていたが、彼らのいうことに間違いはなかった。

スロットル・レスポンスは上々で、トルクは太く、エンジンに鞭を入れる必要は想像以上になかったのである。

ただし、トレーラーの牽引などに使う機会が多いなら、3.0ℓV6ディーゼルを選んだ方が無難だろう。牽引重量は最大3500kgで、それに近いウェイトを引っ張るには258ps／61.2kg-mのスペックがものをいうはずだ。

カタログ燃費こそ2.0ℓの15.9km/ℓに対して13.9km/ℓまで落ち込むが、価格差は£3,000(43万円)程度で、使い方の可能性は広がる。ちなみに今回の試乗では、2.0ℓモデルの実燃費が10.6km/ℓ少々だったことを付け加えておこう。