カントリーマンのためにジュークとQ2を選んだ理由

そんなカントリーマンの直接的なライバルになりそうなのが、昨年登場したアウディQ2である。大型クロスオーバーより活発な走りが約束され、ダウン・サイズしつつルックスはこぎれいでスタイリッシュ。

単体で行ったロード・テストでは、走りのアピールにはやや物足りなさを感じたが、今回はその実力をライバルと比較できる最初の機会となる。

残念なのは、カントリーマン・クーパーSに対抗しうる190psの2.0ℓターボが、英国には導入されていないこと。そのため、今回用意したアウディQ2は150psの1.4TFSIグレードである。

よりハードな比較対象となるのが、ジュークNISMO RSだ。一般的なクロスオーバーとしては非難されそうな点が多いものの、パフォーマンス方面で不足を感じることだけはまずないだろう。

欧州仕様のそれは、1.6ℓながら218psを叩き出し、カタログ・データ上では3台中最速だ。さらに、全身を包むエアロパーツが、一見してわかるアグレッシブさを演出している。

このジュークNISMO RSと、多少マイルドなバリエーションであるジュークNISMOは、日産のハイ・パフォーマンス部門が欧州再進出を期して、2015年に導入された。

当時、われわれはこれに試乗した際、クロスオーバーのホット・モデルに関する日産の認識について問題を提起したが、クルマそのものの本質や明確な狙い、そして好ましさについては否定しなかった。新たなミニの試金石として、これ以上の適材はないと思う。

カントリーマン・クーパーSは8速ATと4WDを組み合わせている。ライバルたちにも自動変速機や4WDは設定されるが(Q2はディーゼルにのみ)、ここに持ち込まれたのはいずれもMT＋FFだ。

カントリーマン・クーパーSにも価格は未発表ながら前輪駆動のマニュアル車は設定される予定だが、おそらく3台のうちコミコミ£2,500(350万円)を切るのはジュークだけになるだろう。