コンチネンタルGT「スーパースポーツ」は名に恥じないのか? 710台限定車をテスト

公開 : 2017.02.20 20:37  更新 : 2017.05.29 19:02

ベントレーの良さは、このスーパースポーツでより高まり、ベントレーの問題点は、このスーパースポーツでもそのままだった。

■どんなクルマ?

710psと103.7kg-m。スーパースポーツを名乗るコンチネンタルGTを理解するには、その数字の両方に注目しなくてはならない。パワーはこのクルマがどれだけ速いか、トルクはどのように速いか、つまりは最高速度と加速性能に関わるからだ。

それゆえ、両方を組み合わせることで初めて、このクルマの真のキャラクターが見えてくる。それは数あるハイ・パフォーマンスカーの中でも、特異な立ち位置だ。

この車名が使われるのは、これが初めてではない。最初は1925年、3.0リッター・ベントレー・スーパースポーツで、ベントレーとしては初めて最高速度100mph(約161km/h)を謳ったモデルだ。

2009年にはコンチネンタルGTの強化版に与えられた。2座化やカーボンの多用などで110kg軽量化し、エンジン出力向上や40:60と後輪寄りのトルク配分、ハードなサスペンションブッシュやリアトレッド拡大といったところが、チューニングの主なメニューだ。ベースとなったコンチネンタルGTスピードより速いのはもちろん、そのフィーリングもまったく異なる。より張りつめ、バランスに優れたクルマで、GTカーというよりスーパースポーツカー的な性格を強めていた。

今回も同じ名前が使われたわけだが、そのレシピは前回とまったく違う。

ベースは同じくコンチネンタルGTスピードだが、シートは4脚のままで、トルク配分やサスペンション、タイヤに至るまで変更はない。40kgの軽量化は、カーボンセラミック・ブレーキディスクと、2014年に登場したGT3-Rでも使用されたアクラポヴィッチ製チタンマフラーの副産物に過ぎない。

注目は、とにかくエンジンに尽きる。6.0ℓW12ユニットは、2003年の登場以来、最強のバージョンとなった。サイズ・アップした三菱重工製タービンは、ブースト圧を0.9barから1.4barへ高め、GTスピードの642ps/85.7kg-mから、冒頭で述べた通り710ps/103.7kg-mにまで高められた。

先代スーパースポーツは630ps/81.6kg-mで、ベース車比20ps/5.1kg-mアップだったから、今回はいかにエンジン強化に力を入れたかがわかる。

今年末に、コンチネンタルはフル・モデル・チェンジが予定されており、そのW12エンジンはベンテイガに搭載された直噴仕様の新型ユニットになるとみられるため、現行ユニット有終の美を飾るのが、今回の強化版ということになるだろう。

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