ミニバンからSUVになったプジョー5008 ただしFF 飛ばすべからず
公開 : 2017.02.21 12:36 更新 : 2017.05.29 19:00
走りに関しては、5008は有能だ。ハンドリングは安心感があり、快適性も概ね高い。サスペンションのセッティングは、路面が良ければかなりジェントルで素直な乗り心地をみせる。しかし厄介なアンジュレーションでは、垂直方向のボディ・コントロールはややルーズで、のたうってしまう。
荒れた舗装では、時として突き上げや衝撃音が発生する。このクラスであれば、おそらく日産エクストレイルの方が、より広い領域で快適だろう。
ハンドリングやステアリングに関しても、エクストレイルの方が慎重に調整されている。
5008のハンドリングは演出過剰でダイレクト感が強く、それでいてゴムっぽい感触があるにせよ、少なくとも応答に遅れはなく、結果的にコントロールしづらいとは感じない。
一方の市街地では操舵力は軽すぎる印象だ。
2.0ℓブルーHDiディーゼルの搭載は、5008の車両重量には適切なチョイスで、洗練性でも力強さでも、3008でテストした1.6ℓユニットを上回る。
6速MTの変速クオリティには不満な点も多少あるが、パワートレインの楽しさを妨げることはない。ただし ‘スポーツ’ スイッチは、できれば押さないほうがいい。
蛇足ともいうべき疑似エンジン音がスピーカーから発せられ、スロットル・レスポンスは踏み始めからひたすら過敏に変貌するからだ。