まだSUVに魂を売りたくないあなたへ VWパサート「オールトラック」=模範解答
公開 : 2017.02.21 20:00 更新 : 2017.05.29 18:56
■どんな感じ?
ストレートに言うならば ‘当たり障りのないクルマ’ である。ただ、そういったクルマは往々にして、落ち度が見当たらないのも魅力。
それどころかこのクルマが提供するのは、至極伝統的であり機能的である本来のクルマの役割そのものである。
心地の良いインテリア、良好な乗り心地、忠実なステアリング、不快な雑音を発しないエンジン、最小限の燃料消費。つまり、あなたは、着心地のいいセーターに匹敵するクルマを手に入れることができる。パサート・オールトラックは、すなわちそういうクルマなのだ。
特筆すべきはインテリアだ。安っぽくなく、精緻。適度なテクノロジーを融合し、ディスプレイは綺麗に一体化している。スイッチ類も分別よく配置されている。
シートは大きく心地がいい。そして車内からの眺望は感服の一言に尽きる。このインテリアを得られるのであれば、価格は不当とは思わない。
さて、SUVを差し置いて、何の変哲もないワゴンを選択する大きな理由は何だろう?
筆者は伝統的な運転感覚だと思う。パサート・オールトラックは、今時で腰高なSUVの兄弟達みたいにカーブで曲がる時に揺れたりしない。そのうえハンドリングはとても中立的である。