「軽」のマイナスイメージを払拭 新型ワゴンR、クラス超えの出来
公開 : 2017.02.22 05:55 更新 : 2017.05.29 18:41
■どんな感じ?
今回、メインで試乗したのは、ブリスクブルーメタリックというカラーも眩い『ワゴンRハイブリッドFZ セーフティパッケージ装着車』(2WD、1,409,400円)。お父さんが乗っても気恥ずかしくない、チョイとハンサム顔のグレードだ。今後、街中でよく見かけるようになるワゴンRの新しい顔だろう。特徴的なカットのBピラーによって描き出されるサイドのウインドウ・グラフィックやフェンダーラインに沿って刻まれたプレスラインなどは、これまでにない新鮮で洗練された意匠だが、ウエストラインで角度が付いたリアハッチや低い位置にあるテールランプの形状などが初代モデルを回顧させ、全体の印象としては誰が見ても『ワゴンR』なスタイリングにまとめ上げられている。
実のコトをいうと、僕はこれまでに新型車の試乗記を書いたことはない。しかし、日頃取材の足として現行フィアット・パンダを愛用し、今年の頭からは2009年式ダイハツ・ムーヴに乗っているということもあり、今どきのコンパクトカーについては多少はワカっているつもりだった。ところが、意外と重厚な感触のドアを開けて運転席に腰を下ろした辺りから、その自信はグラついてきた。水平基調に広がるダッシュボードのセンター上部には回転計・速度計と各種インジケーターからなるメーターパネルがあり、その手前にはタブレット端末のようなナビ画面が浮かんでいた。過剰な加飾パネルやこれ見よがしなギミックの収納などはないが、生活の道具としての使いやすさがよく考えられたインテリアだ。スタートボタンを押すと運転席前のダッシュ上に静々とヘッドアップディスプレイ(HUD)がせり上がってきた! 運転中の視線移動量を減らすことができる装備で、軽自動車としては初採用の飛び道具だ。いずれもこれまで僕の中にあった “軽自動車っぽい内装” とは大きく異なっていた。
雨も煩わしくない「アンブレラホルダー(傘立て)」
先代に比べ28.5cmも広くなったという室内長のおかげか、前席に身長177cmの僕が座っても後席の花村カメラマンと徳永編集部員は何ら息苦しさを感じないという余裕ある空間となっている。さすがにリアのシートを使用しているとラゲッジは最小限だが、ワンタッチでフラットな荷室が出現するダブルフォールディングの2分割式リアシートやテールライトをバンパーに配して1,165mmの開口部を確保したリアハッチにより積載性能もバッチリだ。あっ、それと後席ドアに備えられたアンブレラホルダー(軽初)は僕のクルマにも欲しいです。さらにワゴンRフリークの方のために書いておくと、助手席下に隠された伝統のバケツは6代目でも健在です。ちなみにバケツの下にはハイブリッド用のリチウムイオンバッテリーが鎮座しております。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA