ボルボS60 T6 AWD R-デザイン・ポールスター
公開 : 2012.12.12 18:47 更新 : 2017.05.29 19:09
■どんなクルマ?
2010年に登場したオリジナルのS60 T6 AWDは、スムーズな乗り心地と妥協のない内部のクオリティ、そして快適な居住空間を持ったクルマだった。しかし、その価格設定のため、パフォーマンスについてはいまひとつといった点も否めないモデルでもあった。
そこでボルボは、その問題をポールスターECUアップグレードによって解決を図った。確かに660ポンド(9万円)という価格にはなってしまうが、エンジン・パワーはこのECUによって304bhpから325bhpにアップし、トルクも49.0kg-mに向上した。
■どんな感じ?
確かにパワーは上がったが、その力はギアボックスで殺してしまっているようだ。また、オリジナル・モデルからの問題点も対処されていないようだ。ステアリングはフィードバックが薄く、低速での乗り心地は固いままだ。
しかし良い点もある。その快適さはボルボに期待する最高のレベルだ。フル・アジャスタブルのレザー・シートとマルチ・ファンクションのステアリングは、T6にリラックスしたドライブを提供してくれる。また、リア・シートのレッグ・スペースも十分で、室内のクオリティは他にはないほど高い。
また、アップグレードされたエンジンにも関わらず、燃費には影響がなく、われわれのテスト・ドライブでも9.6km/lをマークした。
ギアボックスがパワーを殺していしまっていると書いたが、オプションのシーケンシャル・マニュアルを使えば、それも解決する。
■「買い」か?
残念なことにT6はスポーティ・サルーン市場で充分に戦えるだけのパフォーマンスを持っていないのは事実。ポールスター・アップグレードのせいで、価格も40,000ポンド(533万円)を超えてしまっている。
BMW330dのようなライバルが、コスト・パフォーマンスに優れていることを考えると、この判断は正しいといえるのではないだろうか。
(ダレン・モス)
ボルボS60 T6 AWD R-デザイン・ポールスター
価格 | 40,250ポンド(537万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 6.0秒 |
燃費 | 10.0km/l |
CO2排出量 | 231g/km |
乾燥重量 | 1684kg |
エンジン | 直列6気筒2953ccターボ |
最高出力 | 325bhp/5400rpm |
最大トルク | 49.0kg-m/3000rpm-3600rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |