アルファ・ロメオ期待のSUV「ステルヴィオ」に早速試乗 まずは2.0ℓガソリンから
公開 : 2017.02.24 11:38 更新 : 2017.05.29 18:24
■どんな感じ?
今回の試乗は、アルファ・ロメオが古くより使ってきたバロッコのテスト・コースで行われたため、開発陣が野心的に取り組んだシャシー・チューンの成果である乗り心地を確かめることはほぼできなかった。
ひげそり直後のように滑らかな路面で、乗り心地を論じるのはナンセンスだ。その点については、いずれ英国の過酷な公道で評価するので、お待ちいただきたい。
一方で、十分に体感できたのは、ステルヴィオの動力性能だ。
2.0ℓガソリン・ターボは、280psのパワーもさることながら、2250rpmから発生する40.8kg-mのトルクも魅力的。
アイドリングから、ロー・ギアに入れスロットル・ペダルを床まで踏み込めば、その力強さを存分に味わえる。4気筒マルチエア・ユニットはスムースで、しかしサウンドには物足りなさを覚える。
音量は控えめで、かつて75ツインスパークがひとびとを魅了したような甘美さもない。とはいえ、それは比べる相手のレベルが高すぎるという話で、このエンジンの個性を主張するには不足はなく、熱いドライビングを演出してくれる。
ステアリングのクイックなギア比はジュリア同様で、サーキットでの低い速度では爽快なまでのダイレクトさで向きを変える。ロールの小ささでさらにクイックさが強調される。
リムに感じる手応えは大きいが、ステアリングは精確で終始矛盾がない。その車高を忘れるのに時間はかからず、これより背の低いセダンであるジュリアと同じ文法で走らせられるようになってくる。
ステルヴィオの駆動系は後輪駆動ベースで、機械式LSDがオプション設定される。基本的に駆動力は後輪へ100%送られ、状況によってクラッチを調整し、フロント・アクスルへも動力を伝達する。
その切り替えに必要な時間は、と尋ねると、フェデーリは微笑んで「ありません」と応えたものだ。