走って感じる数値以外の部分

EVモードでのインプレッションでは、すでにV60がベストだと結論づけている。電気仕掛けのリア・アクスルはペダルの踏み始めに精確なレスポンスを示し、市街地や、80km/h程度までの速度域であれば、素晴らしくリニアだ。

パサートGTEのパワートレインはかなり精密に作動し、EVモードでの反応は過敏ではなくリラックスしていて、モーターの動力も十分だ。

A3のそれはパサートに近いものがあるが、制御の精密さやモーターの力強さでは敵わない。

330eは、EVモードでのレスポンスにわずかながら奇妙な遅れがある。まるでスロットル・オフのたびに8速トランスミッションが次の適切なギアを選びあぐねて接続を断っているかのようだ。

しかし、主題をパフォーマンスとハンドリングへと拡げると、勢力図に変化が表れる。

V60は5気筒ディーゼルが回り始めても、モーターのみで走っていたときと大差なく、しかもノイジーで、ラフで、時代遅れな感覚が加わる。動力性能はたっぷりだが、とにかく重く、速度を上げるほどにそれを痛感させられる。徐々にステアリングはダルさを増し、洗練度を欠く乗り心地とルーズなボディ・コントロールを感じさせるようになる。

街を一歩でたボルボは、それほどクレバーではない。