スマート・フォーフォーのEV版は「あえて買うべき」? 冷静な見極めが必要なワケ
公開 : 2017.02.27 12:10 更新 : 2017.05.29 18:43
4ドア4座の ‘フォーフォー’ のEV仕様。市街地を主戦場とするこのクルマにとって、EVは理想とも言えそうだが、目を向けるべくは “日常でどれくれい使えるか?” だ。冷静に見極めるつもりだ。
■どんなクルマ?
スマート・フォーツー(2ドア2座)もスマート・フォーフォー(4ドア4座)も、流行に敏感な都会派ドライバー向けのシティカーだ。
少なくとも、ターゲットはそういう客層である。
となれば、それほど深刻に性能を追求していないEVには願ったり叶ったりだ。
実際、スマートははじめからEV版の設定を想定していた。しかし、先代はいささか失望させられることもあり、販売面で成功したとは言い難い状況だった。
現行モデルで大きくステップ・アップしたスマートは、EVモデルも進化を遂げた。これまでの半分以下の時間で充電でき、航続距離も多少ながら延長。パワーはアップし、スマートフォンとの接続機能も追加された。
また、EVの設定は、先代まではフォーツーのみだったが、今回はフォーフォーにも用意される。
ルノーから供給される81ps/16.3kg-mのモーターをリアにマウントし、17.6kWhのバッテリーを採用して、154kmの航続距離を得ている。
このフォーフォー・エレクトリック・ドライブ(以下、ED)は、市街地中心にEVを使用するドライバーにはうってつけだろう。
しかし、電気自動車は革命的な進歩を続けており、直接的なライバルとなるであろうフォルクスワーゲンe-Up!や、この分野で確固たる足場を築いているルノー・日産のゾエやリーフなど、競合車種は多い。
われわれはすでに、北米市場のフォーツーEDを試乗しているが、フォーフォーEDに触れるのは今回が初めて。
カブリオも含めて3モデル揃ったED仕様のうち、ベスト・セラーになるであろうとスマート・ブランドが信じてやまないこのクルマの実力を、フランスはトゥールーズの地で検証する。