アバルト124スパイダーを英国で試乗 ロードスターとどっちが「買い」?
公開 : 2017.02.28 18:19 更新 : 2017.05.29 18:23
■どんな感じ?
価格のことは少し忘れるとして、パフォーマンスとサウンドはどうだろうか? サウンドはアバルトのバッジに値するものだ。
124スパイダーの小さな1.4ℓエンジンは、時には嬉しそうに鳴き、時には怒号し、低速域ではパンパンと音をたてる。
フルスピードの快感だけでもあなたは気に入るだろう。
パフォーマンスは特筆すべきほどではないが手堅い。ノーマル・モードでは、ターボ・ラグの存在を意識させるものの、スロットル・レスポンスの鋭くなるスポーツ・モードの応答性は切迫するものがある。
とはいえ、鞭を入れて走らせた時の感じは、アバルトの血統とはまた異なる。
実際には、率直に速いというよりも、快活というべき。中速域に入ってターボ・エンジンがその本領を発揮する時、ショート・ストロークの6速マニュアル・トランスミッションを駆使して、積極的にギアを選択する喜びが訪れるのも魅力だ。この操作こそ、アバルト124を運転するうえで最高の快感のひとつである。
決して2.0ℓのMX-5より速いというわけではないが、シャシーの調律が、そんなことを忘れさせてくれる。
乗り味はほとんどの場面でとても良好であるが、MX-5ほどのボディ・ロールを許容しない。これに正確なステアリングが伴うと、なんとも快活なドライバーズカーに変身するのだ。
スポーツ・モードを選択して、トラクション・コントロールを解除すると、リアの滑りだす感覚が把握しやすいため、アクセルによるコントロールが自由自在になる。英国の道で走らせるのにパーフェクトなセッティングである。