スマート・フォーフォーのブラバス版は高すぎ? トゥインゴとの違いとは?
公開 : 2017.03.01 19:11 更新 : 2017.05.29 18:43
コーナーでは腰下にあるいろんなものをまとめるだけの、メカニカル・グリップは十分にある。標準モデルのフォーフォーと比べてとても安定している感じがするし、それでいてクイックなステアリングもあいまってコーナーへ飛びこむこともできる。
しかし、そこまで大胆な運転をしなくても、電子制御は遥か前から積極的に介入するので、大事に至ることはないだろう。
一方、大きく荷重を掛けてステアリングを操作してみると、応答がイマイチだと感じる。つまり、このクルマの操縦性はあまり芳しくないのである。
トランスミッションも先代モデルから大幅に進化したが、この感じもよくない。軽快でない上に最適なギア選択とは言えない。
試乗したのはエクスクルーシブ・モデルなので、本革シート、合皮で覆われたダッシュボード、7.0インチのスクリーンを介したナビとオーディオを統合するインフォテインメント・システム、バック・カメラ、そしてオート・ライトやワイパー等の豪華な装備が備わる。
なかなか充実した装備だと関心できるが、約280万円の代償を考えると、当然といえば当然だろう。もう一度明記しておきたい、このクルマは約280万円 ‘も’ するのだ。
言ってみれば、これがこのクルマの最大の欠点なのだ。
同じ金額で、フォード・フィエスタSTのような優良なホット・ハッチが買える。あなたが、もう少しプレミアム感が欲しいのなら、ミニ・クーパー5ドアもいいだろう。このクルマに比べて安価で俊足だ。
それに価格にしては、インテリアが特に豪華というわけでもない。確かに本革で仕立てられたシートは素敵だが、その他の多くは安っぽいプラスティックであるし、インフォテインメント・システムだってルノーのそれから拝借してきたような成り立ちである。多分、実際のところそうであるのであろうが。