フェイスリフトしたスバルBRZ 知りたいのは「86? BRZ? どっち?」
公開 : 2017.03.02 18:39 更新 : 2017.05.29 18:41
フェイスリフトしたBRZ。やっぱり知りたいのは「86? BRZ? どっち?」ということである。これがなかなか難しいのだけど……。
■どんなクルマ?
スバルBRZは、トヨタとのジョイント・ベンチャーのもとでGT86と一緒に開発された兄弟車であり、われわれは、GT86であろうがBRZであろうが大好きだ。
この2車を同時に開発するにあたり、常に両車のキャラクターを鮮明にすることに注意が払われ、開発責任者である平川良夫氏は、ラグジュアリー志向のGT86とは対照的に、スバルBRZに、よりシャープなステアリング、回頭性の良い鼻先、そして挙動の素早い収まりを与えた。
われわれの意の中では、これこそがこのジョイント・ベンチャーを通して行われた重要な浄化過程であり、すなわち ‘トヨバル’ があるべき姿の愚像化である。
しかし、ほとんどの購入者にとっては、この優れた動的性能など、豪華なインテリア、長期の保証やさまざまな改良項目の前には魅力的には映らないのであろう。それに、孤高の存在であるトヨタの持つ広域のディーラー・ネットワークや洒落た広告展開をもってすれば、スバルBRZを販売面で打ち負かすことなど容易いはずだ。実際に兄弟分は5倍も売れているのだから。
しかし、3回の世界ラリー選手権覇者であるスバルは、そんな状況を黙って傍観しているのではなく、モデル・サイクルの折り返しでテコ入れを行った。
それは、これまでわれわれが愛して止まない優れたシャシーや表現力の豊かなエンジン特性をもとに、一方で不満があった乗り心地や質素なインテリアの改善を狙ったものだ。
そのインテリアだが、昔ながらのインストゥルメント・パネルに4.2インチ・スクリーンが挿入された。また、兄弟分のGT86のそれと同じような新しい小径のステアリングが奢られ、全面がアルカンターラで覆われることになった。
そして、今回初めてBRZは、ブルートゥース対応の6.1インチ・タッチスクリーンを得た。これは、オプションで装着できるナビやスマートフォンの一元管理ができるインターフェイスとなる。
一方、外装の変更箇所は小規模だ。
新しいヘッドライトに異なった意匠のデイライトを採用し、フロント・バンパーに新しいかたちのサイド・ベントが付き、トランクからはウイングが生える。
確かに小規模であるが、みる眼があれば、トヨタが行ったそれに比べて、シャープで統制感のある変更だと理解できるはずだ。