フェイスリフトしたスバルBRZ 知りたいのは「86? BRZ? どっち?」
公開 : 2017.03.02 18:39 更新 : 2017.05.29 18:41
2017年モデルのフロント・スプリングは硬められたが、逆に、リアのそれは緩められた。これは、スタビライザーの調律と逆の効果を生み、フロントの回頭性を更に鋭くする。
冬の滑る路面では、この設定はクルマの挙動を神経質なものにするだろう。ハイ・グリップでないミシュラン・プライマシー・タイヤでは、その傾向が特に強く出る。
しかし、操舵トルクを再調整して、より自然な操舵感を得たステアリングを伴うと、BRZはスピードを出しても、とても安定している。感動ものである。
ダンパーの設定を変更して、サスペンションを硬くした結果、このBRZは限界に至るまで、それと、限界を超えた時でも、積極的に姿勢を変えていく。
鋭いコーナーへ飛び込んだ時、初めはアンダーステアの挙動を示すが、ブレーキを残すとそれはコントロールしやすいオーバーステアへ変わる。
新しく加わったトラック・モードは、これらを危険を冒すことなく体験させてくれる。先代の唐突なそれとは異なり、危険を察知すると電子制御システムが緩やかに介入し、何もなかったかのように元の状態に戻ることができる。
キャビンへのダンパーからの振動の進入は以前よりも少なくなったと思われるが、本当にそうであるかは、新旧モデルを交互に乗り比べてみないとわからないくらいの差である。
乗り心地は硬いが、ハーシュネスはそこまで顕著ではなく、高速域ではとても安定している。これは、2570mmという比較的長いホイールベースの恩恵だ。
しかし、インテリアには落胆する。
安っぽいプラスティックを多用したインテリアは、アルカンターラでそれらを置き換えてはいるが、全体から受ける印象は90年代のそれだ。
標準でナビを備えるものの、2017年モデルに導入されたシステムは、アウディTTや安価なマツダMX-5に搭載されているのと比べると、なんとも古臭いものだ。
£27,500(385万円)(ナビは17.5万円のオプション)近くの価格を掲げるクルマとなれば、それ相応の出来を期待したいものである。