注目のGLCクーペのAMG版「GLC43」を試乗 辛口評価に要注意
公開 : 2017.03.06 09:33 更新 : 2017.05.23 16:28
■どんな感じ?
クルマに乗りこむと、ミラーを覗き込まなくても通常のGLCとの違いを思い知らされる。ダッシュボード越しにボンネットを見下ろす前方視界は大差ないが、後方視界がスロープしたルーフと位置の高いリア・ウインドウにかなり妨げられるのだ。
走り始めると、フィーリングも異なることにすぐ気づく。GLC43は乗り心地とボディ・コントロールのバランスが上々だったが、このクーペは荒れた路面で厄介なことになるのだ。
コンフォート・モードでは、脚回りがあまりにもフワフワで車体がのたうち、それでいて凹凸を踏み越えると大きな衝撃がキャビンに侵入してくる。
スポーツ・モードに切り替えると、ボディ・コントロールは落ち着くが、荒れた路面の感触はさらに強く感じられるようになる。
ロールは抑えられるが、スプリングが硬くなるため、コーナリング中にバンプを踏んだ際には大きく突き上げられる。
スポーツ・プラス・モードに入れようものならガタつきは最高潮に達し、ロール剛性の高さはサーキット専用かと疑いたくなるほどだ。
もし、乗り心地を犠牲にファン・トゥ・ドライブを享受できるなら、敢えて目をつぶろう。
ところが、運動性能こそ極めて高いものの、残念なことにそこに笑顔は生まれなかった。確かに速いのだが、ステアリングに活気はなく、可変ラックはロック付近で突如クイックになるのだ。