一足先にフォルクスワーゲンI.Dコンセプトにトライ 「未来を目撃した気がした」理由とは?

公開 : 2017.03.06 18:50  更新 : 2017.05.29 18:56

たぶん、フォルクスワーゲンが、このタイミングでI.Dを持ち出したのは、きっと思惑があるのだろう。同社の偉大なビートルやゴルフにも匹敵するような展望が。

前者はその普遍のデザインでベストセラーになり、後者は7代にも及ぶジェネレーションで成功を収めている。しかも、現在進行形だ。

ますますI.Dのことが、わたしは気になっている。

■どんな感じ?

それで、I.Dとはなんだろう。

I.Dとは、Identity(アイデンティティ)、Individual Design(インディビジュアル・デザイン)、IDea(アイデア)の略なのか?

フォルクスワーゲンは、不思議なくらいこのことに関してはっきりしていない。同社のeモビリティ・プロダクト・スペシャリストであるクリスティーン・ルウデラルベルト氏は、「このクルマは、最新のエネルギー密度を持つバッテリー技術を採用しています」と表明するに留まっている。

しかし、このクルマのバッテリーはほかのEVと同じよう、リチウム・イオン製であるし(このことは、2010年に日産リーフが発表されて以来進歩がない)、BMW i3のようにモノコックを、超軽量で強靭だが高価なカーボン・ファイバーで造るわけでもない。

同社のEV向けの新しいMEBアーキテクチャーは、習慣に習ってバッテリーを薄く平らにフロアに敷き、スケードボードのように車輪をできるだけ四隅に追いやり、モーターは後部に設置して後輪を駆動する。

今回もフォルクスワーゲンのアプローチは、彼らの成功の方程式に沿った、いつものそれに思える。つまり、ほかのメーカーにその分野のパイオニアになってもらい、しくじりを是正し、機が熟した時に資本を投入してほかのメーカーよりも優れた商品を創生する。

このI.Dコンセプトは、その存在意義を明確に具体化している。

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