スコダ・オクタビア1.8TSi DSG SEプラス
公開 : 2012.12.14 10:50 更新 : 2017.05.29 18:40
■どんなクルマ?
最新の第3世代のスコダ・オクタビアは、その正式なデビューまで3ヶ月あるが、最終的なプロダクション・モデルをテスト・ドライブする機会に恵まれた。但し、発表前ということで、エクステリアおよびインテリアには、少しだけカモフラージュがされていた。
この新しいオクタビアは、フォルクスワーゲン・ゴルフのものを延長したMQBプラットフォームを使用する。このMQBプラットフォームは、将来的にはポロからパサートまでフォルクスワーゲン・グループのすべてのFWDモデルに使用されるものだ。MQBプラットフォームのクルマを造る工場も今、世界中で建設が進められている。また、主力モデルは、現地生産というカタチにシフトしている。
中国とロシアが最大のマーケットとなるのが、このスコダ・オクタビアだ。オクタビアは、7台目のゴルフに較べて50mm長いホイールベースを持つ。そして、そのプラスされたホイールベースは、リア・シートの住人のために供される。
旧モデルと較べて、新しいオクタビアは90mm長く、45mm広く、108mm長いホイールホイールベースを持つ。インテリアの長さは1782mmで、リア・シートをたためば2400mmの長尺物が詰めるようになっている。また、ブート・スペースは巨大な590リッターという数値だ。
一方、サイズ・アップにもかかわらず、そのボディ・ウエイトは85kg軽くなっている。また、ロー・パワーのモデルは、リア・アスクスをビーム・アクスルとすることによって、更に16kgの軽量化が施されている。
そのスタイルは、サルーンのように見えて、実はハッチバックというもので、シャープでフレッシュなフォルムが与えられている。また、今まで不細工だったクロームのグリルは、ぐっと洗練されたイメージのものに変えられている。サイドシルからリア・ドアに続くラインは、その固い造りと、技術的なクオリティの高さを示しているようにも感じる。ただし、そこには独特のデザイン・センスというものはない。残念なのは、オクタビアのデザインは、ゴルフやセアト・レオンのデザイン言語の延長線上でしなかいということだ。
オプション装備も充実しており、アクティブ・クルーズ・コントロール、自動点灯式ヘッドランプ、キーレス・エントリー、交通標識認知、パノラミック・サンルーフ、カントン・オーディオ・システムなどが用意されるようになっている。
■どんな感じ?
エントリー・レベルは1.4TSIだが、今回試乗したのは177bhpの1.8TSIモデルだ。このエンジンは、6速のデュアル・クラッチと組み合わせられている。
スターター・ボタンを押せば、エンジンは簡単に目覚める。そしてシフトをDに入れれば、非常に小さなメカニカル・ノイズとともに発信する。
このドライブ・トレーンは例外的に滑らかで優雅だ。トランスミッションもそのガソリン・エンジンのパワーをロスなく伝えてくれる。また、旧モデルよりも85kg軽くなったことで、その加速も速い。その軽さは、先代ではなく4代目ゴルフをベースとした初代オクタビアよりも軽いのだ。
スタアリングも繊細で、かつ正確なもので、プラハ郊外のあまり平坦とはいえない、しかも雪で覆われた2級国道でも最後までしっかりとしたフィーリングを伝えてくれた。指先の微妙な入力にもしっかりと反応してくれるといったもの。
また、乗り心地も非常に印象的だった。うねった道や、小さなバンプなど、見事に吸収してくれるし、高速道ではフラットで安定した乗り味を見せてくれた。
スノータイヤを履いていたため、ロードノイズは大きめだったが、それでもキャビンの内部は落ち着いた雰囲気が保たれていた。
■「買い」か?
間違いなく新しいオクタビアは買いとなる1台だ。内部のスペースの広さは印象的で、モンデオやインシグニアと充分対抗できるものをもっていた。またそのトランクは巨大で深く長い。
また、このガソリン・ターボ・エンジンは円滑であり、その優しいトランスミッションは、心地良いハンドリングとスムーズな乗り心地と非常にマッチしていた。正確で思慮深いドライビングを望む乗り手には最適な1台ということができよう。
確かに、その価格は、旧モデルよりも高くなるとされているが、投機するだけの価値はある。
唯一気にかかるのは、このモデルがマルチ・リンク・リア・サスペンションであるということだ。エントリー・レベルのディーゼル・モデルに使われるビーム・アクスルは、これほど印象的な乗り心地にはならないだろうと思う。
(ヒルトン・ホロウェイ)
スコダ・オクタビア1.8TSi DSG SEプラス
価格 | 17,995ポンド(242万円) |
最高速度 | 224km/h |
0-100km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 17.5km/l |
CO2排出量 | 132g/km |
乾燥重量 | 1200kg |
エンジン | 直列4気筒1798ccターボ |
最高出力 | 177bhp/4500rpm-6200rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500rpm-4500rpm |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |