アバルト595コンペティツィオーネはホットハッチ未満か ルーテシアR.S.との実力差は?
公開 : 2017.03.08 19:37 更新 : 2017.05.29 18:23
フィアット500のマイナーチェンジに準じて、アバルト595コンペティツィオーネも変更が施された。さっそく過酷な北ヨークシャーの道で試した。
■どんなクルマ?
最近、アバルトの話題といえば124スパイダーで持ちきりであり、主力モデルであるフィアット500のチューニング版が忘れられがちだ。
2007年に本格的に復活したアバルトは、翌年、500アバルトを発表。チャーミングなルックスに個性あふれるエンジンを積み、クラスレスなイメージを得たそれは、アバルトがフィアットから分離された独自のブランドとして成立することを世間に示した。
サブ・ブランドを独立させるのがいかに困難かは、シトロエンとDSの関係を見ればよくわかるはずだ。
しかしながら、この非凡なるホットハッチは近年、その高額さゆえに批判に晒されることもあった。そこで、アバルトはどのような手を打ったか。
なんと、より高額な限定モデルを次々に発表したのだ。695トリブート・フェラーリや695エディツィオーネ・マセラティ、595ヤマハ・ファクトリー・レーシング、そして695ビポスト。最後のひとつには、£8,500(118万円)の5段ドグミッションも用意された。
ところが今回のマイナーチェンジ版は595系のみで、高額な限定モデルは設定されていない。
エンジンはおなじみの1.4T-Jet直4ターボで、出力の異なる3タイプが用意され、それに応じた3グレードを展開する。最上級モデルが今回の595コンペティツィオーネで、180psユニットと、新型の機械式LSDが搭載されている。
MT車には、17インチ「スーパースポーツ」アルミ・ホイールが装着される。これはLSDともどもパフォーマンス・パックと呼ばれる装備の一部で、ここにはカーボン・シェルにレザーとアルカンターラを張ったシートや室内の595バッジ、外装色に合わせたレッド/ホワイト/グロス・ブラックの内装トリムが含まれる。
このほか、コンペティツィオーネには、コニ製FSDダンパーや305mm径のドリルド・ディスクを用いるブレンボ製ブレーキが標準装備される。
昨年末にイタリアで行った試乗では、改良版シャシーに感銘を受けた。しかし、今回の舞台は英国のバンピーなB級道路だ。それでこそ真に性能が試されるというものだ。