ルノー・メガーヌのワゴン版「スポーツ・ツアラー」のディーゼル AUTOCARとしてはオススメできない

公開 : 2017.03.14 15:59  更新 : 2017.05.29 19:22

走らせてみると、サスペンションのセッティングは「スポーツ・ツアラー」の名にそぐわない印象だ。

スプリングはソフトで、スムーズな舗装でアンジュレーションがなければ、ロールを抑え込まない、ゆったりとした乗り味をもたらす。

しかし、そんな理想的な道が少ない英国のラフな路面に出合ってしまうと、リラックス・ムードはたちまち崩壊する。

比較的小さい17インチのタイヤを履いていてさえ、サスペンションは突然のショックをいなしきれない。

よほど条件に恵まれれば、大半の時間は平穏さをほぼ乱されないが、それでも障害を乗り越えるときにはドスンと音を立てるほどのショックに見舞われるだろう。

そして、スポーツを名乗るにもかかわらず、ちっとも楽しくない。

ステアリングは、コンフォートとニュートラルの両モードでは軽すぎる。もっとも、スポーツ・モードであればそこまで軽くはない。

問題は、ノーズを思い切り突っ込ませても、手応えが変わらないことだ。文字通り、フィードバックがまったくないのである。

アンダーステアには、慣れてしまうのが一番だ。切り替えできないスタビリティ・コントロールはすぐに介入し、思うように走れない。

このクルマの走りに楽しさがあるとしても、残念ながらわれわれはその境地に辿り着けなかった。

一方のエンジンは、注意深く走れば18km/ℓ近い燃費を出すことも無理ではない。小排気量の4気筒ディーゼルとしては、洗練度も素晴らしい。

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