text & photo:Kazuhide Ueno (上野和秀)
開業50周年を迎えた富士スピードウェイのメモリアルイヤーを締め括る記念イベントとして 「FUJI WONDERLAND FES!」が開催された。富士スピードウェイの50周年ファン感謝祭として行われたもので、開業から現在までに開かれた往年の名レースを各メーカーとコレクターが所有する車両で再現し、改めてその偉大な足跡を振り返る内容が特徴だ。1ディのイベントながら入場者数は3万1000人と大盛況だった。
プログラムの中でハイライトといえるのが1976年に開催された「F1世界選手権イン・ジャパン」を再現した「Back to F1 WORLD CHAMPIONSHIP IN JAPAN」だ。当時レースに参戦したF1マシンを国内と海外から招いて往年の光景を再現。今回走行したのは当時ニキ・ラウダが乗ったフェラーリ312T2を始め、ここ富士でタイトルを決めたジェームス・ハントが駆ったマクラーレンM23、そしてこのレースを制したマリオ・アンドレッティが乗ったロータス77が登場。このほか日本のF1コンストラクターのパイオニアであるコジマKE007とマキF101、そして1977年の日本グランプリでジョディ・シェクターのドライブで活躍したウルフWR1によるデモランが行われた。コジマKE007とマキF101はトラブルで走行ができなかったが、デモランとはいえ模擬レース風に演出され、当時のハイライト・シーンであるマクラーレンとロータスのバトルも再現され、ベテランF1ファンから歓声が上がった。
次の再現は富士で1966年から始まった日本GPだ。F1ではなくトヨタ、日産などのメーカーとプライベーターが熾烈な闘いを繰り広げたスポーツカーレースで、今回はトヨタ7、日産R381、最強のプライベーターであるタキ・レーシングが走らせたローラT70 Mk-III、そして小排気量ながら健闘したいすゞR6が、往年のサウンドを響き渡らせた。
あわせて富士スピードウェイを代表するレースであるGCことグランチャンピオンレースも再現され、初期のシェブロン B19からMCS VI/マーチ 842やMIZUNO SPORTS ローラ 88Sらが当時の熱気を再現した。
このほか現在のWECの先祖といえる1982年WEC富士6時間レースから始まったグループCカーも走りを披露した。ニッサン・シルビア・ターボC、トヨタ TOM’S 85C-L、ポルシェ962C、チャージ・マツダ 787B、カルソニック・ニッサンR92CP、トヨタ TS010に当時ドライブしたドライバーが乗り、当時のバトルを再現してくれた。
このようにエポックメイクなレースの再現のほか、いすゞベレット/117クーペ、トヨタS800、トヨタ2000GTのオーナーズクラブによるパレードランが行われ、富士スピードウェイを駆け抜けた名車達の勇姿を見せてくれた。
またピットビルの3階には、「Racing Car Collection」と題され、富士スピードウェイ50年の歴史を象徴するレーシングマシンがカテゴリーごとに展示された。元祖日本GPを駆け抜けたスポーツカーやGTカーを始め、JGTC、JTCC、WSPC、F3000の各カテゴリーから現在のWECやF1マシンまでが集められ、終日人並みが途切れることはなかった。
パドックエリアでは各自動車メーカーやパーツメーカー、協賛スポンサーのブースが並び、この日のために特別企画や商品が用意された。イベントステージではドライバーによるトークショー開かれ、「TOYOTA GAZOO Racing PARK」ではAKB48 Team 8スペシャルライブも実施され人気を集めていた。
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今回の主役の1台が1976年のワールド・チャンピオンを獲得したジェームス・ハントの愛機マクラーレンM23。
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1976年のF1イン・ジャパンを制したマリオ・アンドレッティが駆るロータス77も華麗な走りを披露した。
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1976年のF1コンストラクターズ・チャンピオンのフェラーリ312T2は、独特のエグゾースト音を響かせた
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1977年から独自に製作したウルフWR1は、ジョディ・シェクターが乗り富士で10位に入る活躍を見せた。
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コジマ・エンジニアリングが富士戦のために製作したKE007が姿を見せた。トラブルで残念ながらDNSに。
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1974年からF1に挑んだマキF1。1976の富士戦はF102Aだったが、今回は現存するF101が参加するもDNS。
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富士スピードウェイ黎明期を象徴するレースが日本GPだ。トヨタ、日産、タキ・レーシングの闘いが再現された。
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リア・ダウンフォースを増すフリッパーを備え話題となった、ニッサンR381は豪快な走りを見せた。
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1968年は3ℓのトヨタ7で惨敗し、翌年はこの5ℓのトヨタ7で必勝を期すが、6ℓのニッサンR382の後塵を拝する。
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タキ・レーシング・チームは赤に黄帯を配したローラT70 Mk-IIIでトヨタとニッサンに挑んだ。
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現在はトラック・バス専業のいすゞだが、当時は日本GPに挑んでいた。こちらは1970年のR6スパイダー。
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‘70年代初頭のツーリングカー・レースはスカイライン2000GT-Rとマツダ・ロータリーの闘いの場を再現。
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1971年から始まったグランド・チャンピオン・シリーズを闘った歴代のマシンも富士スピードウェイに大集合。
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リーバイス・カラーも鮮やかな1973年マナ09マツダは、当時片山義美や従野孝司がドライブした。
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こちらも従野孝司が乗ったITO HAMカラーのローラT88/50セルモ89Gマツダは3ローターの13Gを積む。
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1982年のWEC in JAPAN以来グループCカーは富士を代表するレースとなり、今回は往年の名優が勢揃いした。
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ニッサンR92CPを追うマツダ787BとトヨタTS-010。’90年代初頭のWSPとJSPCが再現された。
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1985年の世界耐久選手権(WSPC)を闘った懐かしのレイトンハウスカラーを纏うトムス85CLも参加した。
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1969年の日本GPからフォーミュラカーも始まり、現在のスーパー・フォーミュラに続く歴史を実車で紹介。
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今回唯一の葉巻型で溝付タイヤのマシンは1970年のブラバムBT30フォード。意外や速く注目を集めた。
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かつての人気レースだったマイナー・ツーリングでは、B310サニーとKP47/61スターレットが熱戦を再現。
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インタープロト・シリーズ用のクルマを用いて同乗試乗と、レジェンド・ドライバーによるレースが行われた。
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朝一番のプログラムはヒストリックカー・オーナーズ・パレードが行われ、数多くのベレットが集まった。
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誕生50周年を迎えたトヨタ2000GTと、トヨタS800のパレードランが行われ、走る姿に注目を集めていた。
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昼にはグリッド&パドック・ウォークが行われ、参加したマシンを間近に見ることができ大人気だった。
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パレードに参加したベレット・オーナーズクラブ員が所有する歴代各タイプのベレットがパドックに展示された。
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イベントステージでは、F1やグループC時代を闘ったレジェンド・ドライバーによるトークショーが好評だった。
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パドックにはフェラーリ・チャレンジ・シリーズ用のフェラーリ458チャレンジが姿を現した。
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ホンダのブースでは最新型の展示のほか、フルバンクさせたGPマシンに乗って撮影できるコーナーが大人気。
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ポルシェは日本でも長い歴史を誇るカレラ・カップ用のマシンをアピール。オフィシャル・グッズも販売された。
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ピットビルの3階は50年の歴史を作ってきた歴代のマシンが展示され、カメラを向けるファンが絶えなかった。
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1969年の日本GPで優勝を果たしたニッサンR392は、自社開発された6ℓV型12気筒エンジンを備える。
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当時レースに熱心だったいすゞが、1969年シーズンの2ℓ以下クラス用に製作したR6が持ち込まれた。
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1968年の日本GPでニッサンR381と死闘を繰り広げ、2位でフィニッシュしたポルシェ910もその姿を見せた。
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第3回日本GPで菩武波嵯栄が乗り1クラスの3位に入ったそのもののロータス・エリートは今も健在だ。
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立原義次が駆り黎明期のレースで活躍したフィアット・アバルト1000ビアルベーロ。今見ても魅力的だ。
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ふたつ目のセクションは歴代のツーリングカーを展示。ハコスカGT-RからJTC、JTCC時代までを紹介。
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全日本ツーリングカー選手権で、小河等と関谷正徳が乗り活躍した富士通テン・トムス・スープラ。
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第3回日本GPでオフィシャルカーを務めたトヨタ・スポーツ800は、50年ぶりに当時の姿に蘇って展示。
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フォーミュラ・マシンのセクションでは、富士で開かれたF1日本GPにちなんだマシンが並べられた。
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2008年の日本GPに挑んだトヨタ108Fのほかジェンソン・バトンがドライブしたホンダRA108を展示。
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F1マシンの横には、全日本F3000選手権を闘った懐かしのレイトンハウス・マーチ88Bが並べられた。
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コースでのデモランのほか3階ではグループCカーから現在のWECまでの新旧の耐久マシンを紹介。
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2014年のWECシリーズを闘ったトヨタTS040ハイブリット。隣にはTS030ハイブリットが並んだ。
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ポルシェが2016年のチャンピオンを獲得した919ハイブリッドは、その突き詰められた姿を披露した。
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GTシリーズを闘った歴代のマシンが一堂に会した。中でもタイサン・フェラーリF40は大人気だった。
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2輪のロードレースを彩ってきたヤマハYZR500(OW81)と、ホンダNSR500も展示。2輪車はちょっと手薄だった。
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富士スピードウェイで活躍した歴代ドライバーのヘルメット大集合。終日来場者の人気を集めていた。