アウディRS3サルーンを日本導入前に試乗 400psの直5はAMG A45をどう迎え撃つ?

公開 : 2017.03.21 12:24  更新 : 2017.05.29 18:13

RS3の「サルーン」は、この世代が初。ご存知でしたか? R8顔負けのパフォーマンスを発揮する直列5気筒ターボは400psに。アラブのオマーンで実力を精査します。

■どんなクルマ?

多目的ホットハッチとしてアウディRS3は、いつもそのカテゴリーの頂点の近くに存在していた。

しかし、いつもながら、この5気筒ポケット・ロケットと付き合うことはむずかしい。理由はふたつ。

・ばかげた価格設定
・興奮が冷めてしまうような、堅実さ

である。

しかし、以前試乗したTT RSが予想外に楽しいクルマであったことは、アウディ・スポーツ部門(元アウディ・クワトロGmbH)のクルマ作りにおけるユーモアのセンスが完全に失われていないことを物語っていた。

だから今回は、あまり斜に構えずに、RS3に向き合ってみようと思う。

アダプティブ・ダンパーを従えた、締め上げられたRSスポーツ・サスペンションは、コーナリングの際の安定性を保障し、拡大された前後のトレッド(前20mm、後ろ14mm)は、アンダーステアを抑制する(はず)。

新しくプログラムされたESCは、制御された範囲内ではあるが、ドリフトさえも可能にするようだ。

さらに、このクルマで注目すべきところはボンネットの下。つまり5気筒エンジンとしては世界最高出力とされる、2.5ℓターボ・エンジンだ。

とうとう最高出力は驚愕の400psに達した。しかも0-100km/h加速は、初期型のアウディR8よりも0.5秒も速い。そのうえR8と違ってこのクルマのパフォーマンスを引き出すことは誰にでも容易。7速デュアル・クラッチS-トロニック・トランスミッションの恩恵であろう。

これらの変更点以上に、このRS3には先代と比べて明確な相違点が存在する。

車両後部に取り付けられた付随物だ。意外だとお思いかもしれないが、RS3シリーズに「サルーン」が加わるのは今回が初。

理由は、アウディにとって重要な市場であるアメリカや中国に存在するハッチバックに対する先入観を払拭するためだという。そして、アウディはこのクルマを、ヨーロッパよりも、アメリカやアジアで多く販売することを目論んでいる。

ただ、コンパクトとはいうものの、B5系(2000〜2002年)よりホイールベースは長い。これが吉とでるか? 楽しみだ。

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