アウディRS3サルーンを日本導入前に試乗 400psの直5はAMG A45をどう迎え撃つ?
公開 : 2017.03.21 12:24 更新 : 2017.05.29 18:13
RS3には、あなたが期待するような400ps級のスポーツ・サルーン的な、トップ・エンドの吹け上がりがない。
フラット・トルクなエンジンの特性にもよるが、トランスミッションの性格も原因だろう。低速のヘアピンの立ち上がりでこの現象は顕在化する。
コーナーを脱出する際に、トルクのパンチを期待してアクセルをグイっと踏んだ瞬間、立ち上がりのトラクションを得る前に、ブーストを蓄積するタメが存在するのだ。
一方、拡大されたトレッド、刷新されたESPシステム、そして最も重要な軽量化されたフロント・エンドの功績によりこのクルマの回頭性は先代モデルと比べてよりシャープだ。
先代モデルが中速コーナーでアンダーステアに陥る状況でも、このクルマは踏ん張りが効き、狙ったラインを正確にトレースする。
ヘビのようにくねくねと敷かれる、ドファール山岳地帯のタイトで曲りくねったアップ・ダウンのきつい道を、これほど楽々とこなしてしまうとは思わなかった。
コーナーの入り口から気合いを入れて進入すると、エイペックスに向かってクルマを誘導するリア・アクスルの援助も伴って、スリップ・アングルを自在に操ることができる。
すべてがうまくいった時、そこには至高の喜びが満ち溢れているだろう。
言い換えれば、このクルマは、純粋に万能であり、得意なステージへ持っていけば驚くほど魅力的なのである。