ロングツーリングで検証 幌仕様とRF 50万円差の色分け

公開 : 2017.03.22 12:44  更新 : 2017.05.29 19:12

  • ルーフの開閉はボタン操作ひとつでできる。上に押せばオープン、下に押せばクローズする。

  • 開閉の様子は、メーター内のアニメーション表示で確認できる。

ならばRFのパワートレインが全面的に幌仕様に勝るか。個人的な好みもあるだろうが、「回して楽しい」要素は多少減少する。主にエンジンフィールの問題だが、幌仕様に比べると全体的にラフな印象がある。洗練感が薄いとも迫力があるとも言え、どう感じるかはドライバーの嗜好によるが、センの細さも含めて幌仕様を好むならちょっと違和感を覚えるかもしれない。

こういった違いはフットワークにも見掛けられた。RFの開発では重量増等に応じてシャシー周りの設計変更が加えられた。「重量増→剛性向上」が一般的だが、フレーム補強は幌仕様よりも緩めているのが興味深い。これは捻り剛性のベンディングポイントを幌仕様に合わせるため。釣りやゴルフをやっている人なら分かると思うが、いわゆる先調子と胴調子とかで語られる屈曲の中心位置。コーナリング時の前後輪のストレス負担を幌仕様に合わせることで基本操縦特性の共通化を図った。

サス・チューニングそのものは強化され、性能向上仕様らしい引き締まった味付け。アクセル・コントロールで前後輪のストレス・バランスを変えて姿勢を作る「操る妙味」も幌仕様と同じ感覚である。ただ、全体的に大味な印象がつきまとう。直接乗り比べてこそ気がつく程度の差であり、「重箱の隅」的批評を自覚して語るなら、応答遅れでオーバーアクション気味。手応えを増した操舵感覚もあって、ほのかにマッチョ志向の大排気量FRスポーツカーの薫りが漂う。

沼津ICから東名高速に。100km/hくらいの巡航では多少の横風を受けても風の巻き込みも少ない。天候も回復し、このくらいでルーフを閉じるのも無粋なのでオープン走行。11時半くらいに鮎沢PAに到着し、帰路最後の休憩と撮影を行う。真冬に等しい気温ながらオープンカーを心得た服装ならばさほど堪えない。降車してから風に吹かれているほうが余程寒い。
 

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