ターボ・ラグを感じ取ろうとしてもそれは至難の技だろうし、よく回るV8の特性と緻密に制御される7速デュアル・クラッチ・トランスミッションの組み合わせが、ツイン・スクロール・ターボの低回転域の躾を素晴らしいものにしている。

ブリッピングを伴うシフト・ダウンや、振動の少ないシフト・アップが可能なトランスミッションはご機嫌であるが、オート・モードでは、マネッティーノをスポーツに選択しても、キック・ダウンが少々遅れることがあった。

軽量なV8を採用して、重量配分を適正化して得た利点は、向上した運動性能であり、それはしっかりと認識できる水準だ。

慣れが必要なクイックなステアリングに、車体は過敏に反応し、最初は神経質な印象を持つだろうが、感覚を掴み、コーナーリング・スピードが上がってくると、リア・ホイール・ステアリングの助けも伴って、そのただならぬフロントのグリップを正確に認識できるようになる。

アクセルを踏みこむと、ESCの警告灯が常時点滅するくらいに、リアのグリップは心もとない。言ってみれば「じゃじゃ馬」なのだ。

せっかくだから、厳しいことも言わせてもらおう。