フェラーリGTC4ルッソ「T」 3.8ℓV8ターボとFRは正解だったのか?
公開 : 2017.03.23 19:30 更新 : 2017.05.29 18:52
しかし、タイトなコーナーにおけるトラクション・コントロールの制御は見事なもの。ESPを解除して、コーナーの立ち上がりで、時にはドリフトを伴って、よりダイレクトなパワー・デリバリーを楽しむのもいいだろう。
このクルマのサイズを考えれば、雨天走行時のドリフトは常に覚悟すべき。忠告しておく。
コーナーからコーナーへと気持ちの良いリズムで、容易く駆け抜けることができるが、ペースを上げていくと、ふと、標準で装着されるカーボン・セラミック製のブレーキへの信頼感に疑問を持ったりすることもあった。とはいっても、実際に音を上げるわけではなく、もう少し安心感があれば、という程度だ。
また電子制御ダンパーを一番ソフトに設定して、コンフォート・モードで走ってみると、予期せず宙に浮いた感覚に直面することがある。しかし、ステアリング上にあるボタンひとつでこれは解消できる。
ステアリング上にはおびただしい数のスイッチやボタンが並び、不用意に触れてしまうこともしばしばあるが、それらを作動させるにはそれなりの力が必要なので心配することはない。
こうした個々の変更点について、気になるところはないが、しかし、未熟な高速巡航性に関しては別問題だ。
アウトストラーダの荒れた路面では、長時間運転に専念できなかったし、路面変化に対して神経質に挙動が荒れる場面もあった。GTCの運動性能とタイヤ幅を考えると驚くことではないが、静粛性も褒められる水準ではない。