ランドローバー・ディスカバリーはどう変わったか アウディQ7/ボルボXC90との実力差は?

公開 : 2017.03.24 18:19  更新 : 2017.05.29 19:17

車体のボリューム、柔和な乗り心地、精確で実用本位のハンドリング、トルキーだがゆったりとした出力特性が織りなすのは、素晴らしくリラックスした乗り味と、レンジローバー張りの骨の折れないドライビングだ。そして、その穏やかさの裏には、いざというときのための余裕があることにも気付かせてくれる。

ステアリング・ホイールはいかにも大径で、ほどほどのギア・レシオながらなかなか重い。コーナリング時のロールは確かにあるが、先代ほど激しくはない。ハンドリングの鋭さやグリップのハードさは、よりスポーティで乗用車ライクなQ7やボルボXC90ほどではなく、さほど気にならないだろう。

乗り心地もハンドリングも大きなクルマらしいそれだが、入念にチューンされている。ステアリングの切り始め45°はまさに精密で実の詰まったフィールがあり、その先でのロールの立ち上がりは穏やか。ドライバーへ、コーナーの連続をいかに速く走り抜けるかをはっきりと伝え、また熱意溢れるドライビングを受け止める十分な余裕を提供してくれる。

さらに攻め込んでいくと、結局はグリップが不足気味で、早々とアンダーステアが発生することがわかる。その点は、ドイツのプレミアムSUV勢に及ばないが、試乗車にオールシーズンタイヤが装着されていたことも原因のひとつだろう。とはいえ、スタビリティとトラクションは電子制御システムが有効に働き、飛ばしたときでさえ安定している。

シャシーの柔順さやホイール・トラベルはオフロードを意識しているが、サスペンションのスポーティさを追求しなかったチューニングによりオンロードでの乗り心地も良好だ。

大小問わず、路面の凹凸を高級サルーンもかくやという優美さで呑み込んでいく。試乗車の21インチ・ホイールとエアサスペンションの組み合わせは、時に荒れた路面を扱いかねるような節もあったが、ロール方向の快適性は、ちょっと並ぶものが見つからないほどだった。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事