ブガッティ・シロン初試乗 1500ps、3億4,786万円の数字に媚びず、冷静に

公開 : 2017.03.27 11:50  更新 : 2017.05.29 19:00

まず、シャシーはカーボン・タブを基礎としており、むろん2シーターである。ドアは一般的な前ヒンジ式だ。エンジンは8.0ℓW16で、4つのバンクにシリンダーが4つずつ設けられ、16本のコンロッドは1本のクランクシャフトに接続される。

挟み角15°のV8を片バンクとした、90°V型エンジンだという方がわかりやすいかもしれない。ターボは4基で、常時稼働する2基はエグゾースト8本ごとに左右1基ずつ設置され、ターボ・ラグの軽減が図られている。もう2基はバルブを備え、開閉はスロットル・ポジションと回転域に応じて制御。全開時には、各ターボがエグゾースト4本ずつの排ガスで駆動されることとなる。

トルクは163.1kg-mを2000〜6000rpmで発生。トランスミッションは、ヴェイロンのリカルド製DCTをベースに、クラッチを強化してギアを軽量化した改良版だ。

駆動方式はもちろん4WDで、駆動力は主にリアへ伝達。後輪のみでは捌ききれなくなると、ハルデックス・カップリングによって前輪へも配分するが、その機会はしばしば訪れる。

ホイール・サイズは前20インチ/後ろ21インチで、タイヤ幅は285mmと355mmとヴェイロン・スーパースポーツよりフロントが太くリアが細いが、これはハンドリング・バランスを改善するため。

そう、シロンは直線番長ではなく、ハンドリングやサーキットでのラップ・タイムも考慮されているのだ。ル・マン24時間のコースでは世界最速タイムをマークする計算だが、それに大きく寄与するのがミュルザンヌ・ストレートであるのもまた事実である。

フォルクスワーゲン・グループの製品としては、世界中どこへ持っていっても問題なく走れるクルマである必要がある。そのために巨大なエンジンが求める冷却性能は並大抵ではなく、それを満たすために全幅は2038mmにまで肥大化した。全高は1212mmしかないにもかかわらず。

そのほかに言及すべき要素を羅列していこう。

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