ランボルギーニ・ミウラP400にデビューから半世紀後に試乗 「本質は、やはり野獣」

公開 : 2017.03.31 16:00  更新 : 2017.05.29 19:21

当時のテストでは最高速度275km/hを記録

当時のテストでは、0-96km/h加速が6秒、最高速度は時速275km/hを記録し、記事によれば、クルマの形状、シャシー及び比較的良好な路面のおかげもあって、クルマの挙動には安定感があったという。

サスペンションは、レーシングカーのように極端に硬めではない。というのも、ランボルギーニは、ミウラでレースに参加することを考えてもいなかったからだ。70年代初頭のこと。あるオーナーが、ル・マンに出場するためにミウラをチューンするようランボルギーニに依頼したが、同社はそれをきっぱりと断ったというエピソードがある。

闘牛のモチーフがシフト・ノブに付けられる。


また、フレールは、「ワインディング・ロードを走行中、一部の区間で雨にたたられたものの、ミウラの運転性能がまったく損なわれないことを確認できたことは驚きであると同時に収穫だった」ともコメントしている。

1969年制作の映画「ザ・イタリアン・ジョブ」のオープニング・シーンにおいて、同じようなワインディング・ロードでミウラが横転したにもかかわらず、このクルマの好感度を大きく高めることになったのは皮肉だ。この映画のせいで、多くの少年たちが映画と同じオレンジ色のミウラを将来所有し、ワインディングのヘアピンを旋回させることを夢見たものであったが、掘り出し物のミウラと巡り会える機会があったのはすでに遠い過去の話だ。

今やオークションでは憂に1億円オーバーになってしまった

昨年のオークションの結果を見れば、ミウラに恋こがれる人々がどれほど多いかが一目瞭然である。いずれもRMオークションにおいて、P400Sが100万ドル(約1億1930万円)強で落札された一方、最も人気のあるモデルであるSVは200万ドル(約2億4216万円)強で落札された。

助手席用フットレスト。


あらゆる高級クラシックカーの場合と同様、当然だが、シャシー番号の一致、空白のないオーナー歴、そして保守点検及び又は修復の記録が揃っていれば、高値に結びつく。これは、単に売値を引き上げるために言っているのではなく、買い手に安心感を与え、期待通りのものを購入するという保証になるためである。

それでも、これだけの美しさに値段をつけることはできない。この有名なシルエットを描いたのが本当にガンディーニであるなら、筆者は彼に脱帽せざるを得ない。それは、心がときめき、魂を揺さぶるような時代のアイコンを作り上げることに成功したからだ。

同時に、ビッザリーニとダラーラが開発したV12エンジンも並みのエンジンではない。素晴らしいサウンドを奏で、シフト・チェンジの時にいったん静まったと思うと次のクレッシェンドに入る。この絶妙なコンビネーションに飽きがくることなど想像することもできない。

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