韓国製の小型ハッチ、キア・ピカントは世界基準とどれほどの距離がある?
公開 : 2017.04.03 17:00 更新 : 2021.03.05 21:36
まったくもって「盲点」みたいなクルマが、じつは実力派だったりします。たとえばキア・ピカントはどうでしょう? ちょっと遠い世界を覗いてみるのはいかがですか?
■どんなクルマ?
競争が激しさを増している
この韓国製コンパクトカーは、今年のジュネーブ・ショーで公開されたこれが3代目となるが、初代は2004年に登場。小さなサイズは欧州の各メーカーに少なからぬ影響を与えた。
しかし、欧州勢の選択肢が多彩になった現在では、いかにこの分野のパイオニアとはいえ、各部を高いレベルに引き上げない限り、撤退の危機にさらされる。
また、より安価なダチア・サンデロやMG3などとも競合する。従来通りでは、この激戦区は勝ち抜けない。
キアは、どんな策を?
そこで、より軽く、剛性の高いボディ構造の開発に着手したのだ。また、ホイールベースの延長やサスペンションと操舵系の再調整、より目を引くスタイリングなどが盛り込まれた。
キャビンや荷室の改善、ダッシュボードの質感向上も図られている。
エンジン・ラインナップも見直され、最上位に設定された100psのガソリン・ターボは、このクルマの走りを変えるに違いないユニットだ。
■どんな感じ?
エンジンは市街地では◯ 飛ばすと×
トップ・エンドのターボ・モデルが登場するまでは、これまで通り自然吸気の1.0ℓ直3と1.2ℓ直4が設定される。今回の試乗車は、エントリー・モデルとなる1.0ℓの方で、最高出力は67psだ。
新型はだいぶ改善のあとが見える。
なめらかに始動し、静粛性も高められている。ただし、スロットル・ペダルを踏み込み、4000rpmを超えるとドライバーを刺激してくる。3気筒の魅力を発揮し、反応は熱さを増す。風切り音とロード・ノイズは十分に抑えられている。
白紙から新設計されたボディは、先代より剛性を高めつつ21kg軽量化。
しかし、高いギアでカムに乗っていない状態では、その軽さを感じられないほどもたつく。