韓国製の小型ハッチ、キア・ピカントは世界基準とどれほどの距離がある? 

公開 : 2017.04.03 17:00  更新 : 2021.03.05 21:36

軽すぎる操舵感、不安定な乗り心地は過去のもの

シフト・レバーとクラッチはなめらかで軽く、1.0ℓユニットは市街地や幹線道路を走るには十分。

ところが、高速道路や峠道では力も底をついてしまう。もっとも、このクラスのクルマならば多かれ少なかれ同じようなものだが。

先代の面食らうほどスローで軽すぎるステアリングとフワフワした乗り心地、コーナーでふらつく挙動は消え去った。

乗り心地は市街地を走るような低速域ではやや粗いが、郊外路などを抑えの効いた一定速で巡航するのは、先代よりはるかに楽だ。

高速安定性も大幅に改善され、ハンドリング・レスポンスも良好。試乗車の15インチ・タイヤはグリップも文句なく、ほどほどに熱い走りにも耐えうるレベルにある。

車内は広くなったが、改善ポイントはある

キャビンは、ヘッド・ルームとレッグ・ルームを25mmほど向上し、このクラスの最新モデルに対抗しうる広さを得た。

ラゲッジ・スペースはセグメントのトップ・レベルで、ライバルの多くが50:50となる後席の分割可倒機構は60:40として差をつけ、荷室フロアは調整機能が備わる。

素材の質感も大きく高められたが、ステアリング・コラムのレバーや調整ラッチ、エアコンのスイッチは粗い感触だ。

上級グレードでは7.0インチのタッチパネルをフローティング・マウントしたApple CarPlay/Android Auto対応のインフォテインメント・システムや、前席とステアリング・ホイールのヒーターが装備される。

■「買い」か?

やすけりゃいいってもんじゃない?

英国での販売価格は未定だが、キアは、大部分のユーザーが価格重視でピカントを買い求めることを確認しているため、魅力的なプライスが期待できるだろう。

とはいえ、適切な値付けがされても、欧州勢の最新モデルに対抗するにはエンジンが力不足だ。


キア・ピカント2 1.0 MPI

価格 約£11,000(154万円)
全長×全幅×全高 3595×1595×1480mm
最高速度 161km/h
0-100km/h加速 14.3秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 97g/km
乾燥重量 953kg
エンジン 直列3気筒998ccガソリン
最高出力 67ps/5500rpm
最大トルク 9.8kg-m/3500rpm
ギアボックス 5速マニュアル


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