ケータハム・セヴンR600
公開 : 2012.12.21 17:05 更新 : 2017.05.29 18:33
■どんなクルマ?
ケータハム・セヴンR600は、現在のレーシング・セヴンのトップ・モデル、R300が速いと思っていない人のためのレーシング・カーということができるだろう。
多くのコンペティターは、ナチュラル・アスピレーション2.0リッター・フォード・デュラテック・エンジンを搭載するR300が充分に速いモデルであることは知っている。また、ロード・ゴーイング・モデルのR500は、そのエンジンをナチュラル・アスピレーションのまま、究極までチューニングしたモデルである。しかし、R600は、そのデュラテックをスーパーチャージャーで武装したパワー・ユニットを、そのボンネットの下に収めたレーシング・マシンなのである。
R600は、スーパーチャージャーを得たことによって、R600の8500rpmよりも1000rpm低い7500rpmで275bhpのピーク・パワーを得る。また、そのトルクもR600の24.5kg-m/7200rpmに対して、27.7kg-mを6500rpmで得る。つまり、パワー、トルクは上がっていても、そのフレキシビリティは増し、乗りやすくなっているということが言える。
多くのレーシング・カーは、乗り心地は不快で、低速時のドライバビリティにも不満が残るものだ。しかし、このR600はそうではない。ケーターハムはこのエンジンを積んだロードゴーイング・モデルを制作する計画はいまのところないというが、そのエンジンの性格を考えれば、簡単にナンバー付ければ充分に一般の道でも走れそうな感じがする。
とは言え、R600はレーシング・モデルとしての装備がされている。ビルシュタインのレース・ダンパー、完全なロール・ケージ、シーケンシャル6速ギアボックス、リミテッド・スリップ・デフ、そして来春にスタートするチャンピオンシップ用のエイボン・タイヤがそれだ。
■どんな感じ?
スーパーチャージャー付きのアリエル・アトムのように、R600は各ギアですぐにそのレブ・リミットにまで本当に簡単に達してしまう。グリップは強力そのもので、ステアリングはウルトラ・ダイレクトで重い。スロットル反応は線形で、ブレーキはパワフルだ。
そのハンドリング・バランスは、今回のテスト・トラックの様に寒い状況では、リア・タイヤのほうがフロント・タイヤより早く熱が入るため、ややアンダーステアを生じるが、ブレーキング、またはスロットル・ワークでニュートラルに戻すことは非常に簡単だ。R600は、セヴンの中でもベストなハンドリングの持ち主だ。実に、誠実で、穏やかで、スライドしていてもコントロールは容易い。
2ラップも走れば、テストコースとなったブライトンのどのコーナーでも、満足な立ち上がりを味わうことができた。
■「買い」か?
買いだ。但し、一般路上でセヴンを乗るのでないというのであればだ。そうでなければ、ロード・ゴーイング・モデルであるR500で納得しなければならない。
とはいうものの、R600は、強力なパワー・デリバリーと、素晴らしいギアボックス、そして強力なブレーキを持つ、最速のロードカー・ベースのレーシング・マシンであることには間違いない。
(マット・プライヤー)
ケータハム・セヴンR600
価格 | 44,995ポンド(614万円) |
最高速度 | 246km/h |
0-96km/h加速 | 2.6秒 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 550kg |
エンジン | 直列4気筒1999ccスーパーチャージド |
最高出力 | 275bhp/7500rpm |
最大トルク | 27.7kg-m/6500rpm |
ギアボックス | 6速シーケンシャル・マニュアル |