「Theふつうのクルマ」 スコダ・オクタビアはマイチェン後も「ふつう」だった だが、それがよい
公開 : 2017.04.06 17:30 更新 : 2017.05.29 18:39
スコダ・オクタビア(といってもピンとこないかもしれませんが)は、何かが優れているわけでも、何かがダメなわけでもありません。「ふつうのなかのふつう」。AUTOCARは、それを「変える必要はない」と思っています。ふつうを極めるって、けっこう難しいですから。
■どんなクルマ?
マイナーチェンジ、不発に終わった?
往々にして、マイナーチェンジは不発に終わるものだ。古びたデザインのリフレッシュは目新しさを狙ってのことだが、だからといって見栄えがよくなるとは限らない。
今回のオクタビアだってそうだ。
スコダは、新たなルックスはワイド感を強調したと言うが、その目論見が成功したかは疑わしい。離れて見ると、LEDデイライトは故障しているようにさえ思える。
とはいえ、不満ばかりではない。
リアのトレッド拡大によるスタビリティの改善やブラインド・スポット、後方接近車両の検知機能や感知性能が3倍早くなった予見的歩行者保護など、安全装置の追加こそ注目すべきである。
インテリアでは、センター・コンソールが新デザインとなり、インフォテインメント・システムの8.0インチ・タッチパネルが組み込まれた。トップ・グレードのラウリン・アンド・クレメントでは、ディスプレイが9.2インチに拡大される。
■どんな感じ?
スコダは「ほどほど」を見極めるプロかもしれない
これまでもオクタビアは運転が楽しいクルマだったが、スコダは賢明にも、そこを下手にいじることはしなかった。
ステアリングは事細かに情報を伝えてくるものではないかもしれないが、ドンピシャの重さで、鼻先を狙い通りの場所へ向けさせることができる。
ギアボックスもフィーリングはワクワクするものではないが、動きは軽く精確だ。
オプションでアダプティブ・ダンパーも用意されるが、今回は標準装備のパッシブ・ダンパー仕様を試乗した。ボディ・コントロールの秀逸さよりも快適性を重視したようで、完全に沈み込んでさえ浮遊感がある。
コーナーに飛び込むと、ロール量は適正で、グリップは有り余るほど。安心感と安定感に満ちているが、長距離を飛ばすのもお手の物だ。
近く試乗を予定している最強バージョンのvRSを除けば、エンジンに変更はない。
今回の2.0 TDIはエキサイティングではないが洗練されたユニットであり、アイドリングは静かで、巡航時のマナーは多くのライバルに勝る。急加速したときでも、静粛性は損なわれない。