史上最高の魅力を備えた2台の究極の対決、250GT SWB vs DB4GT

公開 : 2017.04.09 00:00  更新 : 2017.05.29 19:34

判定

当編集部のカメラマンがこの2台を一目見て、筆者にこう言った。「お菓子屋の鍵を手に入れた子供のような気分でしょう」。筆者は、実のところ、どちらかと言えば、プレイボーイ・マンションに足を踏み入れ、目を血走らせたティーン・エイジャーのような気分だった。史上最高の魅力を備えた2台、そして思いっきり踏める人気のない道。後は、どちらの方が優れたクルマであるかを決めるだけで良かった。

単純にコスト・パフォーマンスを考えれば、答えは簡単だ。現状では、DB4GTの方が希少性が高いにもかかわらず、値段は250GT SWBの半分だ。これに正当な理由がない以上、DB4GTの方がはるかにお買い得だ。ただし、価格要素を除くと、判定を下すのが少々難しくなる。

ある面では、アストンの方が優れている。SWBよりも完成度が高く、扱いやすい。運転の大半を占めるミドレンジでSWBよりもパワーがあるからだ。そう思う一方、フェラーリの魅力も圧倒的だ。SWBの方が、間違いなくドライバーにとっての理想のクルマであり、筆者に心拍計を取付けて走行テストをしていれば、SWBを運転している時の方が鼓動がはるかに速いことを確認できて面白かったと思う。

筆者にわかるのは、この2台には性格の違いがあり、コースの難易度が高くなるほど、その違いが顕わになるということだ。だが、話はここで終わらない。アストンのハンドリングの残念に思った点について、後日、リチャード・ウィリアムズ氏に話したところ、彼の会社が、DB4GTの性格を変えずに、フェラーリのようなコーナーリングを実現する改良サスペンションを開発中だと知った。是非とも試してみたいものだ。編集者様、どうか筆者にもっと時間を下さい。

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