日産の元デザイナー、中村史郎に聞く 次期Z、GT-R、NISMOの未来などはどうなる?
公開 : 2017.04.09 06:00 更新 : 2021.03.05 18:51
GT-R、Z、NISMOやリーフについても思い切って聞いてみよう
AUTOCAR:GT-Rの後継車は企画されていますか?
中村:GT-Rはポルシェ911のようなもので、進化がキモです。モデル・チェンジのためだけにおこなう変更は意味を成しません。新型は先代から進化していなければなりません。毎年、それを実現していますが、今年のモデル・イヤーではそれが全面に渡っておこなわれました。われわれは今後もあらゆる要素を改良していきます。そして、やり尽くした時、その時が別れを言う時でしょう。全てのモデルの売れ行きは順調で、バック・オーダーも抱えています。陳腐化しているとは思いません。
AUTOCAR:3人乗りのブレードグライダー・コンセプトは日の目を見ることがあるのでしょうか?
中村:ブレードグライダーは実験的な試みであり、生産化の予定はありません。適量を適切な価格で販売することができるとしても、十分大きいマーケットが存在するとは思えないからです。興味深いクルマではありますけれど。
AUTOCAR:次期Zはどのようなものになりますか?
中村:Zはこの会社のもうひとつの財産です、強力な。同時に、適切なコンセプトをみつけることが容易くありません。ポルシェでもなければ、2シーターの市場はとてもチャレンジングで、しかも、大きくもありません。もしZを刷新するのであれば、何かあたらしい試みをするでしょう。もちろん、いつも研究はしていましたね。Zの研究は楽しいことですから。
AUTOCAR:NISMOバージョンは今後も増えますか?
中村:ニスモとの協力で、フル・ラインナップを構成する大きなチャンスがあると思います。デュアリスNISMOはそのひとつでしょう。しかし、それを実現するためには、本気度の高いパフォーマンスのアップグレードを施す必要があるでしょう。外観だけでなく、サスペンションやエンジンのチューニングです。ニスモの派生車種が増える可能性はあります。
AUTOCAR:日産は再びコンパクトカーを造りますか?
中村:コンパクトカーはむずかしいです。もし日本の軽自動車を持ちこめるのであれば、それは素晴らしいのですが、不可能です! 軽自動車は素晴らしいコンパクトカーです。将来のコンパクトカーは、小型のEVになるでしょうね。
AUTOCAR:リーフ以外に、EVの追加車種はありますか?
中村:将来的に、数種類のEVが発売されるでしょう。リーフは車種であり、ブランドではありません。ほかのEVが加わるとしたら、セダン、SUVでしょうか。スポーツカーはむずかしいです。EVは日産に限定されるのではなく、インフィニティでも展開されます。ほかのボディ・タイプの導入につづき、あたらしいリーフが登場します。