マツダ似? ヴォグゾール・インシグニアの4ドア・クーペに試乗 アウディ、BMWを超えられるか
公開 : 2017.04.10 17:00 更新 : 2017.05.29 18:29
エレガントなデザインが、(英国ならば)200万円台で手に入る。それも、けっこうデキがいい。となれば、興味がわくのも自然ですね。2ページの読みやすい記事です。どうぞご覧ください。
■どんなクルマ?
ひとつ上のクラスの顧客を狙う
ヴォグゾールのファミリー・セダン、インシグニア・グランドスポーツ。そのディーゼル・モデルのエントリー版が、この1.6ℓ/100ps仕様だ。
公称燃費は混合モードでおよそ25km/ℓで、しかもフォルクスワーゲン・ゴルフのディーゼルのエントリー・モデルより安い。ゴルフよりセグメントは上なのに、だ。
この価格戦略で、アウディやBMW、メルセデス・ベンツからもシェアを奪おうというのが、ヴォグゾールの目論見である。
英国での発売は5月で、価格は最廉価版で£17,115(236万円)。今回の試乗車は装備を追加した仕様だが、それでも£19,280(266万円)に収まる。
装備にも抜かりはない
プラットフォームは完全新設計で、車体は先代よりわずかに大きいが、スペースはそれ以上に拡げられ、サスペンションなども新開発。車両重量は平均175kgも削減している。
エンジンは新型、もしくは既存ユニットの改良版で、今回試す110psディーゼルは販売の主力になるだろう。
装備は、4WDやアダプティブ・ダンパー、8速ATなどを備える上位グレードより当然ながら簡素化される。だが、8.0インチのディスプレイやナビ/インフォテイメント・システム、4GのWi-Fi、コンシェルジュ・サービス、キーレス・エントリーや最新の安全デバイスは標準装備。
これで200万円台というのは、まさにバーゲン・プライスだ。
■どんな感じ?
実用性に大きな問題はない
顔つきにマツダとの類似も感じるが、弧を描いたルーフラインやボディ・サイドの処理などは、上級サルーンすら凌ぐほどエレガントだ。
ホイールベース延長により、室内の実用性は先代を凌ぐ。後席レッグ・ルームはクラス水準を超え、身長180cm以上の乗員にもヘッド・ルームの不足はない。
一方、荷室容量は先代より40ℓ減の490ℓで、競合モデルより浅いが、スーツ・ケースやベビーカーなども呑み込む。
ダッシュボード上部やセンター・コンソール、ドア上部などにソフトな素材が用いられる内装は、一見すると上質だ。
しかし、ドア下部やセンタートンネル周辺は硬くテカりのあるプレーンなプラスティックで覆われる。ステアリング・コラム周辺も同様で、価格の安さを実感させられてしまう。