ホンダ・シビック・タイプR BTCCマシンをサーキットで初試乗 動画あり
公開 : 2017.04.11 13:41 更新 : 2018.02.28 11:10
いざ、サーキット初試乗
チームは、わたしに彼のクルマを託してくれた。ほかのレーシング・カーと同様に車内へは入りづらく、とても低い位置へ座らされることになり、クルマの前方から20mは何も見えない。
シビックは大きなクルマではないが、ロールス・ロイス・ファントムにでも乗っている感じだ。シェデンも、エイペックスがほとんどみえていないと打ち明ける。これは、なかなか怖い。
アクセル・レスポンスはあくまでシャープだ。トルクは十分にあるが、レブ・リミットは7000rpm以上。しかしこれは2.0ℓターボ・エンジンであるから中速域の元気のよさも特筆もの。
どのくらいのパワーがあるかと聞いた時、メンバーは微笑んだ。405psに近いとみた。しかし、最近のホット・ハッチ勢は手強い。これをしてもシビックが特別速いわけではないのだからおもしろい。
走り出してしまえば、クラッチが付いていることは忘れていい。シーケンシャル・ギアのレバーは、それなりの力で操作する必要がある一方、ブレーキのアシストは十分。ステアリングは非常に軽い。
つまり、腕力の必要なクルマというわけではないのだ。
少なくともわたしの運転した速度域ではそうではなかった。当たり前だが、運転をプロに託せば、横Gやブレーキング時のGはこんなものではないだろう。
ロードカーのエンジニアは、旋回力が上昇するのに比例して、ドライバーが安心して旋回できるように、ステアリングに操舵性の味付けや重さを付加しようとするが、このクルマの旋回時にとくに重さは変わらない。
シビックのレースカーは素晴らしい操舵感と操舵性を持ち合わせているが、ステアリング・リムを通して、どちらも精巧にろ過されている。