エマーソン・フィッティパルディに聞く スーパーカー・カンパニーのはじめ方 EF7開発秘話
公開 : 2017.04.16 18:00 更新 : 2017.06.01 00:23
EF7のデザイン、3つのキー
「EF7のデザインでは、チーフのルカ・ボージョグノとほか2名が3つのポイントに絞ってデザインを進めました」
「まずは『攻撃的なフロントノーズで目を惹く』ということ。そして『低く構えた全体に磨き抜かれたスポイラーやダクトを配置する』ということ。最後に『低マウント化されたV8が載る低くフラットなテール』ですね」
「エマーソンはシャーク・ノーズを望んでいました。そこにわれわれの提案した広めのキャビンを配置することで、すべて満足のいくものとなりました」とボージョグノ。
機関開発にはすごい人も携わった
ハンズ・ワーナー・アウフレヒトという技術者がEF7のエンジン開発などを請け負っていた。といっても、HWAは良く知られたチームではないだろう。
ただ、聞いて驚くことなかれ。
彼はかつてのAMGの創始者でもありメルセデス-AMGのチームを率いてDTMにも参戦していた経歴もある。
そんなHWAの開発責任者はヒューバート・フーグル。全開走行も可能なプロトタイプを今年の8月までには製作するとのことだ。
彼が最初に企画提案を受けたのは2015年の11月。イチから製作し、たった27ヶ月でカーボンファイバーのキャビン、V8、ヒューランド製ギアボックスを採用することなどの条件をクリアするという難しい提案だった。
もちろんスケジュール的に他の仕事もこなさなければならないのでタイトだったが、彼は受けることにした。不可能ではないという自信から。
フーグルが最終的に目標としたのは「車重1000kgでタフ、もちろん実現可能な範囲で」という1点。
フィッティパルディはドライバーの操る楽しさも重視しており、完全なひとり乗りのレースカーというよりもフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニといったGTレースカーをイメージしていたので、それを具現化するかたちだ。
フーグルはまた、「可能な限り軽量化したかった。軽量なのがサーキットではものをいうということを実践で学んできたからね」とも語る。
軽量化に取り組むうえで、フロント、それからリアのサスペンションはフレームにダイレクトに取り付けることとなった。
そうすることで重量がかさむサブ・フレームを排除することができるからだ。