VWゴルフGTI「パフォーマンス」 GTI/Rとどっちがいい? 優秀ゆえの気になる点とは? 試乗
公開 : 2017.04.17 18:00 更新 : 2017.05.29 18:56
■どんな感じ?
極めて優秀 それに尽きる
ゴルフGTIは、優れた実用面においてホットハッチの中で疑いようのない地位を築いている。そして、今回のフェイスリフトはその名声を汚すものではない。
ほかのライバルを寄せ付けない内装は健在だ。9.2インチの「ディスカバー・プロ」インフォテインメント・システムや12.3インチのデジタル・メーターは、ほぼ完璧だったエルゴノミクスと質感の融合を次の次元に昇華させた。
このクルマの秀でたところは、知覚できる質の良さを遥かに越え、細かな操作の感触から宙に浮いているような素晴らしい乗り心地の洗練まで、全ての項目に及ぶのだ。
実力は、EA888エンジンのわずかに荒々しいそのキャラクターの片鱗から伺うことができる。
アクセルを踏み込めば、鼓動がインテリアに伝わる。また、柔順でどこまでもリニアな特性は、高回転で回した時の実力を予感させる。変更は比較的小規模で、クラブスポーツほど熱狂的でもなく、標準モデルと比べた時にようやく認識できる程度のものであるにもかかわらずである。
骨に密着した筋肉のように、このクルマのパワーは余すところなくシャシーに息づく。4気筒エンジンの絶え間ない応酬は、絶妙な量のエネルギーをフロント・ホイールに与え、トラクションを試してみても、度を越すような事は滅多にない。
限界を越えるような場面でも、それを感じさせることもないだろう。プログレッシブ・ステアリングやアダプティブ・ダンパーによる、操縦性や応答性、それに乗り心地の絶妙な妥協を持って、クルマはジェントルに警告を発するに過ぎない。