R-デザインはボルボV90の中でも最も「買い」なモデルかも

公開 : 2017.04.18 17:40  更新 : 2017.05.29 19:07

硬いもののスムーズなサスペンション

プッシュ・ボタンではなく、コンソールにある大きめのダイヤルを捻るという変わった方法でエンジンを始動し、8段ATのセレクターをDレンジに入れて走り出す。そこでまず意外だったのは、スプリングもダンパーもスタビライザーも強化されているというスポーツ・サスペンションのスペックから想像するよりも、乗り心地が快適なことだった。

もっとはっきりいえば、2カ月ほど前に乗ったT6のインスクリプションより、R-デザインの方が乗り心地はいいと感じた。硬いとはいえサスペンションの動きは適度にスムーズなもので、強い突き上げもなく、姿勢がフラットに感じられるのも好ましい。

ワインディングでも軽快

さらに、前回の試乗ではチャンスがなかったワインディング・ロードに攻め込んでみると、このクルマのもうひとつの美点が見えてきた。その日は生憎の雨だったにもかかわらず、V90 R-デザインはへヴィ・ウエットなターンパイクを、思いの外に軽快なフットワークで、危なげなく走り抜けてみせたのである。

AWDを含むもともとのシャシーのポテンシャルに、R-デザインのスポーツ・サスペンションが磨きを掛けているのに加えて、R デザイン専用にセッティングされたステアリングも不足なく路面のフィールを伝えてくる。本気で飛ばすモデルではないが、頼りになるフットワークを持った、気持ちよくペースを上げられるクルマに感じられた。

その他、充分な居住スペースと、使い易そうなラゲッジルーム、必要にして充分以上に力強いパフォーマンス、といったファクターは、V90 T6 AWDが本来備えているものを、当然ながらすべて受け継いでいる。

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