アウディA8、新型が重くなるのはなぜ? 装備「よくばり問題」が原因か
公開 : 2017.04.23 16:00 更新 : 2017.06.01 00:22
重くなるのは、部品増だけが理由ではない
軽量化は、燃費を改善する最も単純な方法だが、モーター、コントローラー、ワイヤー、インバーターに大きなバッテリーからなる電動パワートレインを採用するとなれば、大きな重量増となる。
部品が多くなるだけではなく、これらの追加された部品達を収納し、衝撃から守る車体構造も必要なのだ。
新型A8のボディが旧モデルと比べて重いのは、ロング・ホイールベース・モデルに追加されたパノラミック・サンルーフ、改善された衝撃吸収構造、リチウム・イオンバッテリーが供給する48ボルト電気システムのインフラなど、これら全てが重量増につながっているからだ。
つまり、今日のクルマ造りにおいて、軽量化はかつてと比べて非常に厄介な課題である。
アウディをはじめとするメーカーが試みいているのは、重量増加のスパイラルを逆転させることである。2017年モデルのA4オールロード・クワトロのようなケースでは、旧モデル比で90kgの軽量化が実証されている。(あまりある例ではないが)
ひとつ、確実に言えるのは、われわれが軽量化技術と聞いた時、それが軽量なクルマを生み出す技術と考えてはいけないという点。あくまで、そのクルマの本来の重量を「重くしない」技術なのである。