トヨタ・プリウスPHV 技術に反して動的性能△ ゴルフGTEやBMW 330eに軍配
公開 : 2017.04.25 12:00 更新 : 2021.01.28 18:21
■どんな感じ?
洗練性、高まった ただしトップ・クラスにあらず
市街地でゆったり乗れるEVとしても、街を離れても快適なクルマとしても、出来の良さを求められる。プラグイン・ハイブリッドの使命である。
まず市街地だが、まさに典型的なリラックスできるEVらしさがある。
アクセルのレスポンスがよく、モーター音とロード・ノイズは穏やかに聞こえるのみ。ノイズとバイブレーションは通常のプリウス以上に抑えられ、それが洗練性を高めている。
しかしクラス・トップを自認するにはもう少し努力が必要だ。そのうえEV走行を楽しめる時間は長くは続かない。
満足とはいえない「実際の電費」
8.8kWhのリチウムイオン・バッテリーの「実電費」は40kmほどで、100km/ℓを謳う燃費も、現実的には25km/ℓ弱といったところ。通常のプリウスとそう変わらないのである。
試乗車には£1,500(21万円)のオプションであるソーラー・ルーフ・パッケージが装備されていたビジネス・エディション・プラス仕様だったが、一日の充電量は5kmぶんほどだという。
英国の天候を考慮すれば、一年中フル稼働という訳にはいかないだろう。
より長距離の走行は、通常のプリウスと同じようなもの。十分に快適で、しかし特に速いわけでも目立ったところがあるわけでもない。
モーターから1.8ℓガソリン・ユニットへ、パワー・ソースの移行はシームレス。エンジンは巡航時にはおとなしいが、急加速時には高回転になりがちで、軋るような音が耳障りだ。