歴史に残る「逆反り」リア・ウインドウ・トップ10 (10位〜5位)
公開 : 2017.04.29 06:00 更新 : 2017.06.01 00:21
第7位 パッカード・バルボア-X(1953年)
異論がなければ、このコンセプトカーこそが後傾リア・ウインドウが広まったきっかけだ。リア・ウインドウを額縁のように囲む「キャノピートップ」のデザインは、そこに雨や雪が付着して後方視界を遮るのを避けるためのアイデアだったとされる。しかもこのリア・ウインドウは開閉可能で、室内の換気に役立った。パッカードの広告コピーには、「(後席背後の)パーセルシェルフに置いたものが風で飛ばされる心配はない」と書かれていたが、後傾ウインドウゆえにそもそもパーセルシェルフがないので、これはいささか強引な宣伝文句と言うべきだ。
第6位 リライアント・リーガル(1962年)
Mr.ビーンで嫌われ者役となった3輪自動車、リライアント・ロビンのひとつ前のモデルがこのリーガル。英国では免許や税制面での優遇措置があったため、ある程度ポピュラーな存在だった。FRP製の小さなボディを有効に使うため、後傾リア・ウインドウを採用した。1962年から約10年間製造がされた。エンジンは、モーターサイクル用の600ccOHVを搭載。
第5位 アウトビアンキ・ビアンキーナ・クアトロポスティ(1962年)
自転車メーカーだったビアンキが自動車に進出するにあたり、ピレリとフィアットから出資を得て1955年に創立したのがアウトビアンキである。まずはフィアット500をベースとしたモデルで、リア・ウインドウの左右にピラーを延ばしたバットレス・スタイルなので分かりにくいが、リア・ウインドウを僅かに後傾させて後席ヘッドルームを確保したデザインが採用された。1968年までに約6万8000台が生産された。そもそもアウトビアンキはフィアットの底辺を拡大するための新ブランドだったが、売れすぎたために63年にフィアットに吸収されてしまう。