ハッチバック決定戦:前編 ―― ホンダ・シビック vs プジョー308 vs VWゴルフ
公開 : 2017.04.29 12:00 更新 : 2017.05.29 19:09
ガソリン優勢
新型シビックは、今年後半までディーゼルが設定されない。その追加予定のエンジンは、すでに他車種で称賛に値するところを見せている1.6ℓCDTIだが、量販ファミリー・ハッチバックの発売時にディーゼルが用意されないのは、欧州ではまずないことだ。
現時点のエンジン・ラインナップは、129psの1.0ℓ直3ターボと182psの1.5ℓ直4ターボのガソリン・ユニットのみ。
1.0ℓターボは、パフォーマンスと経済性、洗練性、バリュー・フォー・マネーの好バランスで、より多くのユーザーにアピールすることになると目されるため、今回のテスト車両に選んだ。
これに合わせて、マイナーチェンジしたばかりのゴルフも1.0ℓ直3ターボをチョイス。出力は109psだ。一方の308は、1.2ℓのアンダーパワーな仕様で、こちらも109psを発生する。
ホンダのエンジンは新型で、シビックの燃費とエミッションを競争力あるレベルに押し上げるもの。先代の1.8ℓ自然吸気に対し、パワーと0-100km/h加速は同等で、トルクでは上回る。
いよいよホンダもダウンサイジング・ターボを導入したわけだが、今更という思いも禁じ得ない。というのも、欧州メーカーの多くが、排気量ダウンが本当に実燃費改善の得策なのか疑問を呈し始めたタイミングだからだ。それはともかく、ライバルたちより大きく重いが、0-100km/h加速タイムは308の0.1秒落ちに収めている。
テストに入る前に、もうひとつ述べておくべきことがある。このEXグレードのシビックは、ヒーター付きレザー・シートやキーレス・エントリー/スタート、アダプティブ・ダンパーやプレミアム・オーディオを装備している。
これは、ゴルフでも308でも持ちあわせていない。そのため、他車より価格が高いのは当然だ。テスト結果を見てシビックが欲しくなったが、予算的に難しいというなら、もっと安価なSRグレードを選ぶという手もある。